(2022.12.16追記)当該候補者が立候補を取り下げたため、本記事において匿名化・顔写真の削除を行いました。


現在塾生代表選挙に立候補しているA候補が、過去に旧統一教会関連団体の会合で演説していたことが塾生新聞の取材で分かった。

A候補は、2021年11月に行われた国際勝共連合(以下、勝共連合)主催の会合「救国救世勝共大会」で、勝共連合傘下の若者グループ「勝共UNITE」を代表して演説した。勝共連合は、統一教会創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)が1968年に創設した反共産主義を掲げる保守系政治団体。同団体は旧統一教会の関連組織として、政界に関与してきたと指摘されている。勝共UNITEは東大生4名によって結成された学生中心の活動団体で、これまで安保賛成や改憲を主張する街頭演説等を行ってきた。

会合は「憲法改正と道義国家日本の再生」というスローガンのもと開催。A候補は演説で、一貫して反共産主義、憲法改正を主張した。共産主義思想は「人を破滅の道に追いやる悪なる知恵」とし、それに対抗する精神の象徴として憲法改正を訴えた。また、総裁の文鮮明・韓鶴子(ハン・ハクチャ)の提唱した勝共理論や神主義こそ、国民に伝えるべき正しい知識だと話した。

旧統一教会と関連団体は、その反社会性が指摘される。特に安倍元首相銃撃事件以後注目を集め、霊感商法や多額の献金強要、望まない婚姻強要などが問題視された。1970年代には、文鮮明が提唱した”統一原理”を研究するサークル「原理研究会」が注目を集めた。信者となった大学生が原理運動に熱中するあまり家に帰らなくなり、社会問題となった。旧統一教会の被害者救済を図る被害者救済法案は、明日8日に衆院通過の見通しだ。

A候補が行った12月6日夜のオンライン演説会では、「統一教会などカルト団体の偽装サークル問題に対する全塾協議会の取り組み、またどう学生部と連携し対処していくのか」との質問があった。A候補は、「本日は時間がないため後日必ず答える」として未回答だった。

A候補は、本紙が候補者に向けて実施した独自アンケートで「親が子を愛するように、慶應や塾生の方々は、私を支えてくれました」と述べ、「私はこの任期を通して、慶應や塾生に親孝行をしたい」という思いで、塾生代表選挙への立候補を決意したと答えている。