2023年度塾生代表選挙の投票が、12月14日から20日に行われる。初出馬となるNo.1矢部力也氏(経2)、No.2遠藤駿氏(政2)、No.3中田康史氏(総2)と、3期目を目指すNo.4山田健太氏(総3)の計4名が立候補した。開票は21日で、当選者は第7代塾生代表となる。

 

各候補者の選挙公約は

各候補は3つの選挙公約を並べる。

 

No.1 矢部力也候補(経2)

(写真=提供)

矢部氏は、①学部や所属団体の境界線を越えた議論の場の設置により、塾生一人一人と共に成す慶應自治の実現②塾生への福利厚生を目的とした予算外支出や予算執行プロセスの柔軟化③学祭や慶早戦をはじめとする各種イベントの広報支援を通じた活性化。

 

No.2 遠藤駿候補(政2)

(写真=提供)

遠藤氏は、①慶應義塾大学全体のマスコットキャラクター制作②塾生代表選挙の周知強化。選挙成立に必要な有効投票率の引き上げ、投票義務化の検討を含む選挙制度改正③上記二つの公約実現に専念するために必要と思われる特別組織・役職の設置。

 

No.3 中田康史候補(総2)

中田氏は、①改善された財政を駆使し、各種施策・制度・団体等を幅広く支援②自治会を25億円に引き上げる③全学部に時給2000~3000円のバイトを設ける。

 

No.4 山田健太候補(総3)

(写真=提供)

3期目を狙うを狙う山田氏は、これまでの経験を踏まえた公約でアピールする。①改善した財政による幅広い支援②知識等の共有や相談先の強化等を通し、同じ苦労を次の世代に残さない、誰もが安心できるキャンパスづくり③新歓強化や施設の利便性拡大等、塾生の声をかたちにする自治の力を強化し制度化。山田氏の個人ツイッターでは今回が「最後の出馬」だと表明している。

 

塾生からの2200万円の用途を決める

塾生代表は、塾生の自治組織「全塾協議会」の代表だ。塾生の意見を踏まえて、より良い塾生生活を送れるようサポートする。約2200万円にも上る自治会費の配分や、全塾協議会に所属する団体の監督・助言が主な権限。また、文化団体連盟や体育会等の代表が議員として参加する、塾生の最高意思決定機関「議会」の決議案を承認・拒否する権限を持つ。

各候補の選挙公約は、方向性が大きく異なる。矢部氏と山田氏は、塾生がよりよく生活するための自治や支援の重要性を強調。遠藤氏は、慶大にマスコットがいないことに着目。愛塾心を育みたいという。中田氏は、塾生代表と自治会の予算の増加を掲げる一方で、その使い道について言及していない。塾生が望む政策を反映させた公約であるかどうかが、当落を左右する。

新型コロナウイルスが蔓延する以前は、学生証の提示で選挙権を確認し、キャンパス内の投票所で投票が行われていた。昨年度は、選挙管理委員会のホームページで投票。keio.jp認証後、投票が可能となった。今年度も同様にオンライン投票になると見られる。

慶大に所属する正規学部生全員が選挙権を持つ塾生代表選挙。投票率が11%台を推移していた20、21年度から、昨年度は約3ポイント上昇した。投票率10%を下回ると選挙は不成立となる(2019年度は7・9%で再投票)。全塾生から750円ずつ集めた自治会費は約2200万円。決して少なくない予算の承認権限を持つ塾生代表選挙を、我々塾生は注視する必要がある。

【本紙が実施したアンケート回答はこちら】