熱気の高まる中庭を抜け、院校舎2階ロビーにたどり着くと、慶應カメラクラブ(KCC)による作品の展示が広がっていた。

私が到着したのは三田祭2日目が終了する30分前。人もまばらになった展示コーナーで静かに1枚1枚の写真を眺めていると、終わりがけの学園祭のなんだか切ない空気も相まって涙がこぼれた。静止画で泣いてしまったのは初めてで、自分でも驚いた。写真に添えられた題名がさらに涙を誘う。

同じ時代を生きる、同じ大学生の写したファインダー越しの世界は、素朴で真っ直ぐで、受け手の気持ちや状況の違いによって見せる表情を変える。

壁には、QRコードが貼られ、気になる撮影者のインスタグラムを簡単に見られるようになっている。また部誌とカレンダーの販売もしているそうなので、気になる方はぜひ手にとってみてはいかがだろうか。

そういえば、高校生の頃せっかく買ってもらったデジタルカメラも、気づいたら触らなくなってしまっていた。家に帰ったら久しぶりに電源を入れてみようか。


私のお気に入りの写真。犬の素敵な笑顔の瞬間がよく切り取られていて、これには犬派の私もニッコリ。

(小島毬)