弓術部男子団体戦 34年ぶり史上2度目の全日本選手権優勝の裏側

個々の実力が発揮されただけでなく、チームとしての団結力が勝利へと繋がった今回の大会。主将としてどのようにチームをまとめているかを尋ねると、「部員同士のコミュニケーション」を大事にしているという。「弓道は理論上、誰でも活躍できる競技であるということで部員を鼓舞している。他人に試合での4本を引いてもらうことができない以上、チームとしての団結力が不可欠。その団結力は、弓を引かない時間に生まれる。部員との些細な接し方や、自ら率先して雰囲気を作ることが、チームとしての強さに関わってくる」

また、今大会に出場した選手は全員が中学や高校からの経験者。当時と大学の試合のレベルの高さはどれほど違うのか尋ねたところ、高校時代と比べて20本引くうちの2,3本を多く中てられるかだという。決定的な違いは、高校では「中てたい」という気持ちで試合に臨んでいたが、大学では「外してはならない」という重みに変わることだという。その重圧の中でも中てきるというのがかなり難しいと、選手たちは語った。また、中学から弓道を始めて、今年で10年目となる副将の小林選手(政4)は、今大会の優勝を経験したことで得られた「教訓」があると話した。「弓道は10年間やってきたこともあり、一つのことを成し遂げるための道筋やプロセスを教えてくれた。本気で何回も取り組んでいたら何回かは報われる。体育会に入ってから、自分の努力がなかなか実らないと感じていたが、今回の優勝を受けて、努力していたらいつかはいいことがあるという教訓を得られた」

創部140年もの歴史に新たに名を残した選手たちだが、この大会が全てではない。今年度の目標は今大会の優勝のほか、Ⅰ部リーグ復帰がある。そのためにもまずはⅡ部リーグで圧勝し、入替戦を勝ち切りたいと金森選手は話す。

弓道は自分次第でどのようにもできる競技であり、一切言い訳や妥協をする余地がないので、ストイックに打ち込めるのが魅力だと前原選手は語る。

限りない練習の中、己との戦いに苦悩しながらも、目標に立ち向かう弓術部。彼らが弓を引くその姿には、誰もが感銘を受けるに違いない。

(土屋海渡)