—仕事・業務内容
 大別して書籍部門と雑誌部門があり、それぞれに編集・営業・宣伝等の各部署が設置されています。各部は分かれてはいますが完全に独立したものではなく、編集作業にも売れ行きを推察する経営的センスが欠かせないし、現場の編集センスなくしては営業の見通しは立てられない。どのセクションにおいてもトータルな能力が必要とされる業務です。

—社風
 古い歴史を持つ為、伝統的・保守的なイメージを持たれる事が多いのですが、常識を破っていく革新的な意識が根付いています。
 例えば、全国的なネットワークを持つ新聞社でなければ発刊は不可能と言われていた週刊誌市場に『週刊新潮』で参入し、出版社による週刊誌の先駆けとなりました。また逆に、他社による寡占状態であった新書市場に後発で参入し、『バカの壁』『国家の品格』『人は見た目が9割』等の大ヒットを生み出しました。過去に囚われないチャレンジ精神を歓迎する社風ですね。
 また個々が可能性を伸ばし、育ってもらえるよう福利厚生の充実など働きやすい環境作りに努めてもいます。

—求める人材像
 出版業は人材、人間の頭脳がすべてなので、豊かな想像力と教養を持った鋭気ある人を求めています。基礎力としては、①本を読む力②その本から自分なりに何かを拾い上げる力③それを他者に的確に伝える力、以上の3つの力を備えている事を望まれます。また、基礎知力と同時に、長時間の編集作業などにも耐えられる基礎体力も必要でしょう。

—選考基準
 即戦力を期待しているわけではないので、完成形は求めません。基礎力を踏まえた上で、原石のような秘められた可能性を尊重しています。また出版とは人に「伝える」仕事ですので、可能性をただ持っているだけではなく、こちらにその断片だけでも見せてくれるだけのコミュニケーション能力も重要です。

—今後の事業展開
 ケータイ小説や、TV化や映画化等の他業種とのメディアミックスなど、紙媒体以外での発信を積極的に進めています。その一方で、売り上げの中心がやはり文庫であるように、文芸が新潮社の大きな柱です。過去の名作を復刊し、装丁の工夫・文字を読みやすく大きくする事などによって本をより手に取りやすくさせ、次の世代に伝統を伝えていく努力を続けています。

—就活生へメッセージ
 何より本を好きでいて、ジャンルを問わず出来るだけ多くの活字に触れてきてもらいたいですね。多くの読書を通し前述した3つの力を養う中で、同時に「自分なりの読み方」、「自分は何を作りたいのか」も見出してほしいと思います。

(壱岐俊介)