喊声 9月号

iPhone 5sの端末価格をご存知だろうか。9万5760円(NTTドコモ・16GBの場合)。あと3千円払えば、11インチMacBook Airが買えてしまう。高価だが、日本ではスマホ保持者の2人に1人がiPhoneだ。この人気の源泉は何だろう▼商品が高いかどうかは、品質や量も考慮されるが、消費者が受け取る価値によっても判断される▼日本企業の多くは、この点を見落とした。時計にしろクルマにしろ、性能面では世界一なのに、ブランド面ではスイス製やドイツ製と大差がある。商品が提供する価値についてよく考えなかった結果だ▼私達は「競争」という名のランニングマシンの上にいる。走って現状維持、立ち止まれば脱落。前進するには、猛烈なスピードで走らなければいけない。インターネットの登場以来、ベルトの速さは増すばかり▼高価値な商品を生みだす欧米と、低コストで攻める東南アジア。企業の役割はブレーンと工場の二極化が進む。日本はどちらに舵を切るのか。ソニーもシャープもiPhoneにおいては下請けだ。「モノづくり大国」として一度は繁栄したニッポンの今後を考えたい。 (河村大樹)