朝の通勤・通学時間、混み合った車内でスマホを取り出すもネットがつながらなくてイライラした経験はないだろうか。特に渋谷駅や新宿駅などの人が多い駅では、いまだに回線がつながりにくいことが多い。だが塾生に馴染みの深い東急電鉄では、最近そうしたつながりにくさを解消すためWi-Fi整備に力を注いでいる。

車内でWi-Fiが使えるShibuya Hikarie号

8月には全駅で利用可能に
現状では東急多摩川線、池上線、世田谷線以外の東急線には、すべての駅内にWi-Fiルーターを設置しており、駅内では自由にWi-Fiを使える。また、電車移動中にも使えるWi-Fiが試験的に運営されており、Shibuya Hikarie号ともう一台の一般車両では電車で移動しながらWi-Fiが使用可能となっている。東京急行電鉄株式会社ICT(情報通信技術)戦略部の峰崎大輔氏によると、この試験でのWi-Fiはそれほど通信速度が速くないのが現状である。だが、今後技術改善が進めば、より速くストレスのない通信を楽しむことが可能だ。「混雑度を1%下げるのは難しいが、満足度を1%でも上げられるようにしたい」と峰崎氏は語る。
東横線では東急電鉄の子会社で通信会社のイッツコムが通信をサポートすることで、au、SoftBank、docomoの全ユーザーがWi-Fiを使用することが可能になっている。今年の8月には、東急線の全ての駅でWi-Fiが利用可能になる予定だ。
まだ駅や電車内でWi-Fiを使用する人は少ない。しかし、今後Wi-Fiが普及すると、通信の利用がWi-Fiに流れ、逆に3GやLTE回線に空きがでる。相対的に、全ての回線を用いた通信速度が速くなるそうだ。
今後の事業展開については、駅周辺250m、乗換駅では500mの範囲、そして全面的に電車内でWi-Fiを接続できるよう、検討を進める予定だ。
スマホがつながりにくいな、と思ったら一度Wi-Fiの受信状況を見てみよう。これまで使えなかったところでWi-Fiが使えるようになっているかもしれない。 (在間理樹)