11月22日12時30分、西校舎501教室にて、慶應落語研究会の寄席が行われていた。和装のサークル員に出迎えられた先には、本物と遜色ない装飾が施されたステージが目に入る。
誕生から70年以上経過する落語研究会は、過去最高人数である40人超の体制で三田祭本番を迎えた。
毎年開催される慶應寄席では、2年生が新作落語を披露する「主任口演」と、1年生が襲名した名前を正式に披露する「襲名披露口演」を行っている。
厳かな音楽とともに語りを始めた丸山由希子さん(経2)。完全新作の中主任口演を担当した。時事ネタが多くちりばめられたネタで観客の笑いを誘い、会場内は熱気に満ちていた。
癖になる語調としなやかな演じ分けに目が離せなかった。主任口演としてふさわしい構成力で、会場は終始笑いに包まれていた。
今回の慶應寄席の企画を取りまとめた三田祭担当の中山太智さん(文3)に取材した。今年度は部員数増加に伴い、教室の変更という大きな決断を下したという。会場の収容人数が格段に増えたため、今年度は部員一同、より一層力を入れて口演を作り上げたそうだ。彼の落ち着いた口調の奥には、静かな期待が感じられた。
寒さの染みる三田キャンパスとは対照的に、慶應寄席の開催される西校舎501教室には演者と観客の温かな空気が流れていた。