慶應ロボット技術研究会がロボコンにかけた思い

慶應義塾大学ロボット技術研究会、通称ロ技研、のチーム「illias」が「NHK学生ロボコン2022~ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会~」の予選を突破し、本戦出場を決めた。豊橋技術科学大学に敗れ、予選リーグ敗退となったが、昨年の優勝校、長岡技術科学大学を相手に一勝を上げた。

ロボコン出場までに一体どのような物語があったのか、ロ技研に所属し、ロボコンでのフィールド出場メンバーである、櫻井駿一さん(理工4)、鈴木晃希さん(理工3)、和田光平さん(理工2)に話を聞いた。

左から鈴木晃希さん、櫻井駿一さん、 和田光平さん

ロボコンは、毎年6月中旬に開催され、全国の学生が製作したロボットの技術力を競う大会である。今回の競技テーマはインドの伝統的なゲームをモチーフにした「ラゴリ」だ。出場チームは、円柱の塔を積み上げたり、相手の塔を崩したりすることで、得点を得る。ロボコンの競技テーマは毎年変わり、9か月という短い期間で準備することは、多大な労力を要する。ロ技研は、本戦出場経験が2回だけと経験も浅く、試行錯誤しながら、準備を進めた。

「自分達の技術で届く範囲で、大会までにできることをいかに最大限やるかを重視した」と鈴木さんはいう。大会では、見た目がいかにもロボットらしい方がインパクトがあり、観客の受けがよい。ただ、製作するのが難しいといったデメリットがある。ロ技研が今回製作した二台のロボット「気品」と「智徳」は、シンプルで堅実な作りを重視した。

左が「気品」右が「智徳」

技術力が高い常連校が揃う中、歴史の浅いロ技研は、ロボット製作の上で苦労した点も多かった。大学から金銭的支援を受けるチームが多い一方、学生主導であるロ技研は資金力が弱い。代表の鈴木さんを中心に、僅かながらでも繋がりのある企業や、OBに積極的にアプローチし、なんとかお金を集めた。自分達が身を削ることもあったという。更に、技術力や運営面での知見が十分蓄積されておらず、未経験者は自ら勉強しながら、ロボット製作を進めた。

「ロボコンはやって給料をもらえる訳でもないし、必ず結果が出る訳でもない。それでも途中でやめる人はいなかった」と櫻井さんはいう。和気あいあいと能動的に活動できるという魅力がロ技研にはある。作業を黙々とこなすのではなく、アットホームな空間で作業することを大切にした。更に、未経験者にも積極的に設計に関わってもらい、メンバー一人一人が何か一つ自分で作ったものを大舞台で披露することができた。チーム全員の努力と工夫がつまったロボットが製作されたのだ。

「昔から大きな電気、半導体を扱うことに憧れがあった。その夢をロボコンは実現させてくれる」和田さんはいう。今回のロボコンは残念な結果となった。しかし、「来年は絶対に優勝」という目標を掲げている。

夢を追い続けるロ技研は、活動を応援してくれるスポンサーと新入部員を絶賛募集中である。ぜひ、ご支援、ご応募お願いしたい。

野尻茉央