
商学部で期末試験のある共通の科目は、語学科目(第二外国語)、会計学基礎、経済学基礎、微積分基礎、経営学基礎である。
<語学科目>
語学科目は春学期と秋学期の成績をならして、通年で成績が出るのだが、だからといって春学期は手を抜いて、秋学期から頑張ればいいという考え方はお勧めしない。
言語は積み重ねの学問であり、秋学期の内容は、春学期の内容を完全に理解できていることが前提となっているからだ。また、春学期に勉強を頑張ることのできなかった人間が、秋学期は頑張れると考えるのは都合がよすぎる話であり、現実的ではない。
第二外国語は試験直前だけの、付け焼き刃の勉強では全く通用せず、単位を落とすことになってしまうので、しっかりと優先して時間を掛けて勉強をするべき科目である。
<必修科目>
必修科目について、特に早めから対策しておくべきは経済学基礎と微積分基礎である。
これらの科目は数学が深くかかわっており、試験問題を解けるようになるためには、数学的概念の完全な理解と、それをしっかりと使うことの出来る運用能力が欠かせない。これを身に付けるためには、知識を頭に入れるだけではなく、実際に手を動かして自ら問題を解く必要があるため、多くの時間がかかる。授業を聞いておらず一からの勉強となる人は、早めに手を付けておくのが吉だろう。
ただし、微積分基礎は数学Ⅲを履修した人にとっては非常に容易であり、途中までは数学Ⅱの知識でも通用しうる。反対に、会計学基礎や経営学基礎は、単に知識を問う問題が多く、思考を必要とする問題が他の科目に比べ少ないので、最低限の知識を身に付ければ、単位を取得できることが多い。
必要とされる知識量を確認したうえで、ある程度の余裕を持ち、試験に近い日に集中して覚えるのがコスパの良い勉強となる。
また、商学部の必修科目の試験は過去問が出回っていることも多いため、アンテナを張り、積極的に過去問を手に入れることも、テスト対策という点では非常に有効である。
ただし、最も理想的であるのは、日々の授業にすべて出席して授業を聞き、授業の中で内容を理解・暗記し、テスト対策は確認程度で終わることである。
忘れてはならないのは、私たち学生の多くは親に学費を払ってもらうことで、大学に通えているということである。90分の授業一コマを受けるのに、少なく見積もっても2000円の学費がかかっているのだ。皆さんは一コマの授業で2000円の価値がある知識・経験を得ることができているだろうか?それは授業の内容ではなく、皆さんの授業に対する態度にかかっている。
人生の中で、時間的な余裕の中で勉強に向き合えるのは大学時代が最後かもしれない。テストのためだけではなく、自らの将来に生きる教養を身に付けるため、主体的に勉強をしていくべきだ。
(小塩啓太郎)