
文学部の科目で、期末試験が課されるものは二つに分類できる。一つは語学科目、もう一つは一般教養科目である。
このうち、春学期の期末試験で特に力を入れて取り組むべきなのは、一般教養科目である。その理由は、秋学期に行われる専攻決定において、春学期のGPAが参照されることがあるからだ。語学科目は通年科目であり、春学期のGPAには反映されない。そのため、社会学や美学美術史学など、倍率の高い専攻を志望する場合は、春学期の一般教養科目で高成績を取っておくことが重要である。
次に、それぞれの科目における試験対策などについて述べていく。
<語学科目>
先に述べたように、春学期は一般教養科目に注力すべきであるが、語学科目の勉強をおろそかにしてよいという意味ではない。文学部では語学科目を2コマ落とすと留年となるからだ。
「語学科目は通年科目だから、秋学期で挽回すればよい」と考える人もいるかもしれないが、春学期の時点で挽回不可能な成績を取ってしまえば、その時点で留年が現実味を帯びる。また、自分自身や周囲の経験から言えば、秋学期は気が緩みやすく、秋に頑張って成績を立て直せる人はごく少数であると感じる。
このような事情から、春学期は一般教養科目だけでなく、語学科目にも真剣に取り組む必要がある。負担は大きいが、この時期に積み重ねた努力が、のちの大学生活を大きく左右することになるため、どちらの勉強も頑張ってほしい。
語学科目の勉強法としては、授業で取り扱ったプリントやテキスト、問題集を繰り返し解くことを勧める。私はイタリア語を第二外国語で履修しているのだが、1年次春学期の期末試験では、授業中に扱った例文や問題集の文章を一部変えたような出題が多かった。
つまり、授業で使用した教材をきちんと復習しておくことで、十分に得点できるようになっていたのだ。これまでの授業内容を丁寧に復習し、試験に備えてほしい。
<一般教養科目>
一般教養科目の試験対策で重要なのは、「過去問に頼りすぎないこと」である。
もちろん、過去問とほぼ同じ出題が期待できる授業であれば、過去問の活用は有効である。そのため、友人やサークルの先輩から過去問を入手するのは、有力な対策の一つといえる。
しかし、文学部では、自分が履修している授業の過去問を手に入れることが難しいのが現実である。なぜなら、文学部は履修の自由度が高く、開講されている一般教養科目の数も非常に多いため、友人や先輩と同じ授業を履修している可能性が低いからである。他学部のように「皆が似たような科目を取っている」わけではない。したがって、過去問を入手できなかったからといって、落ち込む必要はまったくない。
大切なのは、レジュメの内容を一つ一つ丁寧に理解し、暗記することである。実際、レジュメの内容をしっかり頭に入れておけば、多くの科目でS評価を得ることができる。
「急がば回れ」ということわざがあるが、文学部の一般教養科目の試験勉強には、まさにこの精神が当てはまる。楽をしようとせず、真面目にコツコツ取り組むことが、最終的にはもっとも確実で安全な道となるのである。
(成沢緑恋)