環境情報学部1年に在籍する鈴木勝大さん
環境情報学部1年に在籍する鈴木勝大さん

芸能界。誰しもが興味を持ち、たくさんの想像が膨らむ非日常の世界。華やかな表舞台を一度は夢見る若者も多いだろう。

若手タレントの登竜門「JUNONスーパー・ボーイコンテスト」で準グランプリに輝き、高校2年生で芸能界入りを果たした鈴木勝大さん(環1)。彼は現在、慶大環境情報学部1年に在籍する塾生である。

数々のドラマ出演を果たし、最近ではテレビ朝日系スーパー戦隊シリーズ2012年新番組「特命戦隊ゴーバスターズ」の主役に大抜擢された鈴木さん。芸能界の最前線で活躍する彼の想いを取材した。

「一生面倒を見ていきたい」。事務所の社長の熱い思いに胸を打たれ、芸能界に入る決意を固めたと話す鈴木さん。「中高一貫校だったこともあり、デビュー当初はさほど生活に大きな変化はありませんでした」と振り返る。

 

しかし、大学入学を機に、仕事中心の生活が始まった。「さまざまな作品に出演するようなり、『自分は仕事をしている』というプロ意識が自然と芽生えてきました」




2010年、所属事務所主催のエヴァーグリーンエンタテイメントショーに出演。初芝居となったこの舞台で演技の難しさを痛感した。「今まで、見ている分には何とでも言えた。でも、演じてみると何もできなかったんです」。平然と役に入り込む事務所の先輩、山本裕典さんや溝端淳平さん、岡本玲さんが遠い存在に感じた。それと同時に「いつか追いついてやる」という強い思いを抱いたという。

座右の銘は「現状維持では後退するばかりである」。この言葉を常に心に留めて、ドラマや舞台で着実に経験を積んだ。「もっと大きな役を演じられるように、今できることを全力で頑張りたかった。次につなげよう、という気概を常に持ち続けたいんです」。ドラマデビューは日本テレビ系学園ドラマで人気を博した「美咲ナンバーワン!!」。名だたる主役メンバーの後ろ姿から演技の世界を学んだ。有意義な時間だったとともに、立っているだけの自分のポジションに対しても「さらに高みを目指そうと闘志が湧きました」と振り返る。

その成果が実り、今年「特命戦隊ゴーバスターズ」で念願の初主役を手にした鈴木さん。「自分が他のキャストを引っ張り、必ず成功させます」と強い意気込みを語る。持ち前の運動能力を生かしたアクションシーンに取り組むため、現在は毎日のトレーニングに余念がない。




多忙を極める芸能活動と学業との両立は容易ではない。しかし鈴木さんは「大学の友人は、芸能人としてではなく普通の友達として接してくれる。同年代で仕事をしている人の中には、大学や高校に行くことが難しい人も多いので、そういう環境を持っている自分は幸せ」と前向きだ。「水嶋ヒロさんや櫻井翔さんも、学業をしながら結果を残している。そういう存在が励みになっています」

「セリフ一つとってみても、自分がどれだけその意味を理解しているかで、見ている人に与える影響が格段に違う。戦争の舞台をした時にも、ただ台本を読み込むだけでなく、時代背景の勉強にも力を入れています」と大学生としても俳優としても猛勉強中だ。

SFCでも充実した日々を送る鈴木さん。「どこでもWi‐Fiが飛んでいたり、Mac製品を使った授業など、とても刺激的です。みんなパソコンでノートを取ることにびっくりしました」と無邪気な笑顔で話す姿が印象的だ。なかでも新しいビジネスモデルを立案する授業「知的財産権とビジネスモデル」は魅力的だという。「こういうビジネスがあったら、人々の生活に役立つなと想像することはとても面白い」

もともとは、バラエティ番組の制作といった裏方の仕事に関心を寄せていた鈴木さん。しかしコンテストを機に、表の仕事に対する興味にも気が付いたという。「想像できることは何でもできる。強く叶えたいと思っているなら、チャンスに気づくべき。絶対に見逃さないで欲しい」と塾生にメッセージを送る。

「演技力を高め、役者として常に最前線に立ちたい」。そうまっすぐな眼差しで語る彼の、さらなる今後の活躍を応援したい。

 

(松井和浩)

写真は所属事務所提供