新司法試験前に学生向けに答案作成の練習会を開いていた問題で国家公務員法違反の疑いで告発されていた元慶應大学法科大学院教授の植村栄治氏(58)に7月11日、東京地検が嫌疑不十分で不起訴処分にした。

 告発状によると、問題作成や採点を務める「考査委員」であった植村氏は問題作成が終わった後、同大法科大学院生に、試験対策のための答案作成を教える講習会を計7回開いた。その講習会で扱った「都市計画法」、「外国人退去強制処分」等の問題が実際の新司法試験で出題された。

 この問題をめぐり、植村氏は07年8月に、依願退職していた。