慶応就職塾 13卒の就活市場とは

慶応就職塾の授業風景
慶応就職塾の授業風景

12月1日をもって経団連加盟企業の広報活動が一斉解禁され、3年生はいよいよ本格的な就職活動に突入する。単年で見れば今年の就職市場の変化は「広報活動解禁の遅れ」だが、長期的にはより大きなトレンドが存在している。昨今の就職市場の変化と塾生の就活傾向について、「慶応就職塾」を運営する、フェアネスコンサルティング株式会社の小名木智宏氏 にお話を伺った。

就職市場の変化に関し、「『鷹揚な』時代ではなくなった」と指摘する小名木氏。「日本経済の停滞や、最近では円高や欧州金融危機により、企業体力が著しく衰えています。一方で日本企業の海外展開は加速し、企業はグローバルな人材を求めるようになりました。慶應卒であれば悪くてもどこかの企業に就職できる、という時代は終わりました」と話す。

企業体力の低下に伴い、選考における「着眼点」も変化してきている。

「元気が良いから採用といったような『ポテンシャル採用』が過去のものとなり、本質的で深層的な自己分析に裏付けされた受け答え能力を見る『リテラシー(能力)採用』が主流となっています」と語る小名木氏。最近では銀行など10回を超える面接も珍しくないという。適性・能力を多面的に評価する企業が増えているそうだ。

では慶大生向けに指導する立場からは、慶大生の就活傾向はどのように映るのだろうか。

「概して大企業・ブランド志向が強いですね。そのこと自体は悪いことではありませんが、志望動機についてもっと深い洞察が必要だと感じます」と警鐘を鳴らす。例えば、旅行が好きだから旅行業界を志望するならば、その業界の長所と同時に短所も、冷静かつ客観的に研究することが大事だ。「せっかく入社しても、華やかなイメージと現実とのギャップに悩み、早々に辞めざるを得なくなるケースも多いです」

慶応就職塾でも「企業選び」の段階には特に力を入れる。就職塾というと、数十名の学生が同じ教室で講義を受ける形式が一般的だが、同社ではさながらゼミのような、少人数での講義を基本とする。授業の様子を少しのぞいたところ、カウンセリングに近い密なやり取りができ、かつ複数人による相互啓発も期待できる人数で、塾生はいきいきと発言している。言わば個別指導と集団指導の「いいとこどり」と言えそうだ。塾生を慶大生に限っている点も他に類を見ない。

「参加者全員に有益なグループ学習効果を保証するには、参加する学生がある程度高い能力を保持しているとともに、自発性・自律性を持っていることが必要です」と小名木氏。そのため学部間の学力のバラつきが少なく、自発性を発揮しながら一定以上の能力を有する慶大生に限定した「慶応就職塾」が誕生した。

厳しい状況にあっても、したたかに就活を乗り切る慶大生は少なくない。しかし「もうワンランク上の就職」を目指すなら、是非ともこういったハイレベルな環境で切磋琢磨したいものだ。

(岡本直人)