初めてのレポート課題に不安を感じる新入生は多い。慶應義塾大学メディアセンターの蔵書数は2021年統計では約505万冊にも及び、契約中のデータベースは300件を超えるとされる。「多すぎて使い方が分からない」という声も聞こえてきそうだ。

だが、各キャンパスのメディアセンターには支援サービスが揃っている。日吉メディアセンターの朝比奈さん(レファレンス担当)と米満さん(法3・学習相談員)が、日吉メディアセンター1階の「スタディサポート」とオンラインで利用できる「慶應義塾大学データベースナビ」の活用方法を教えてくれた。

朝比奈さん(左)と米満さん(右)

「スタディサポート」で学業に自信を

「課題で今日中に必要な資料があるのに、蔵書を調べたら貸出中で手に入らない……

「なんとかレポートを書き上げたけど、今になって剽窃にあたる気がしてきた……」

試験期間中にこんな状況が発覚したら、焦ること間違いない。泣く泣く資料を実費購入したり単位を諦めたりする前に、スタディサポートに相談しよう。スタディサポートの「レファレンスサービス」や「学習相談」を活用すれば、レポート執筆やプレゼン準備にあたってのピンチを切り抜けたり、自信を持って取り組めたりするようになる。

「資料の入手」はレファレンスサービスで相談

レファレンスサービスを利用すると、資料の入手に関する悩みが解決できる。学習相談員が、慶大外も含む各図書館の蔵書検索やデータベースの利用、資料の探索などさまざまな選択肢の中から適切な手段を教えてくれる。「課題で今日中に必要な資料が…」というシチュエーションは、朝比奈さんが実際に対応した事例だ。

「まずは図書館相互協定を結んでいる早稲田大学と一橋大学の蔵書を調べました。その時はそれで解決しましたが、もしそれでも無いとなれば、今度は学生さんがどこに住んでいるのか尋ね、近隣の公共図書館の蔵書も調べます。万が一それでも無ければ、内容が近い他の本を探して提案します」

このように、資料入手のためにあらゆる手立てを試すのがレファレンスサービスの特徴だ。時間に余裕があれば、必要箇所のコピーを取り寄せることもできる

「課題の悩み」は学習相談

学習相談は、レポート執筆やプレゼン準備といった課題で生じる悩みに応じてくれる。例えば、「レポートの問いってどう立てればいいの?」「引用の仕方が分からない」「剽窃にあたらないか不安…」といったものだ。これらの悩みには、問いを立てるために考えるべきことを教えたり、適切な引用がされているレポートを見本として示したりする。米満さんによれば、特に春学期は新入生による相談が多いという。

「特に引用の仕方に不安を感じている方が多い印象です。論文やレポートは細かいルールが色々あるので、相談することで自信を持って取り組めるようになると思います」

また、自分の相談がレファレンスサービスと学習相談のどちらに該当するかを悩む必要はない。デスクが隣り合っているため、内容に応じてそれぞれの相談員が一緒に応じることもある。

「慶應義塾大学データベースナビ」も活用

慣れてきたら、自分でデータベースを使ってみるのも手だ。「慶應義塾大学データベースナビ」にアクセスすれば、学術機関や出版社、新聞社など各種機関による確かで質の高い情報を閲覧できる。ネット環境さえあれば、場所やデバイスの制約もない。2023年現在、慶大が契約しており利用可能なデータベースは300件を超える。

朝比奈さんに、特に多くの塾生に役に立ちそうなデータベースを聞いた。

「『JapanKnowledge Lib』は学部学科問わず便利だと思います。辞書や事典の総合データベースで、102種のコンテンツが1つの検索サイトの中に入っています。調べたい単語を検索すると、全てのコンテンツの語釈を一覧で見ることができます」

「また、いわゆる5大紙のデータベースも全部揃っているので、使える場面は多いと思います。例えば『朝日新聞クロスサーチ』では、1879年の創刊号から今日の発行分まで全ての記事を読めます」

もちろん他にも便利なデータベースは枚挙にいとまがない。自分の欲しい情報がどのデータベースで調べられるか知りたい場合も、スタディサポートのレファレンスサービスで相談するとよい。

気軽に相談を

朝比奈さんと米満さんは、共にスタディサポートを「とにかく気軽に利用してほしい」と強調する。「特に新入生の皆さんは、知らないことがたくさんあって戸惑うと思います。どんな内容でも構いません。漠然とした質問でも理解度に合わせて説明するので、安心して来てくださればと思います!」と語った。 

日吉メディアセンター1階「スタディサポート」の利用可能時間帯は、レファレンスサービスが平日9時~17時、学習相談が平日午後(詳細な時間帯は変動するためHPを参照)。

慶應義塾大学データベースナビ

(和田幸栞)