慶應塾生新聞会 三田オフィス

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喊声 12月号

活字が好きで、本が好きで、そして本を読む人の表情が好きだ。最初は恐る恐る覗き込み、いつしか夢中になって奥へ奥へと進んでいく。もう一つの世界はなかなか自分を離してはくれない。それが心地よくもあり、けれどときどき得体の知れない不安に襲われる

▼思えば小さい頃から本が大好きだった。母に読み聞かせてもらった記憶はいまだ色褪せることはない

▼大学生になった今、読むものは本にとどまらなくなった。雑誌、新聞、課題の論文。読めば読むほどその世界に入りこみ、帰ってこられなくなるような気がした。膨大な言葉の海に飲み込まれ、自分が誰なのか、何をしたいのか、何を考えているのか分からなくなる

▼寺山修司は言う。「わたしの存在そのものが質問なのだ。その答えを知りたくて生きてるんだ」。自分の存在を問い続けることが「生きる」ということ。自分を見失いそうになったとき、私たちはそこで膝を折ってはいけない

▼例年12月だった就職活動解禁が、2014年度からは翌年3月になった。大学3年生の私は、これから知らない人や言葉、世界に触れていく。期待も不安も一背負いに、明日も「生きて」いきたい。
(武智絢子)