喊声 2月号

友人たちと騒ぎながら将来を語り合い、夜が更けた。そして彼らと別れたのち部屋に独り佇む。淋しさを持て余しながら外を見ると、景色よりも先に窓ガラスに映った自分の顔が目に入った。将来に対する期待と漠然とした不安とが入り混じった顔である▼思えば一昨年も似たような顔をしていた。大学受験に挑んだ18の冬。自分と同じように大志を抱く友人たちの前では強気になれたが、独りになると急に心細くなった。「宿願を成し遂げられるのか」「自分は間違っていないのか」▼大学に入った今でも自分の決断や進路に不安をもつことがある。むしろ増えたのかもしれない。だが、できることはひとつ。自己をありのまま受け止め、そして努力を重ねることだけだと私は思う▼フリードリヒ・ニーチェは自身の著書でこう述べた。「我々のうちで最も勇気ある者でさえ、自分が本当に知っていることに対する勇気を持つのはまれにすぎない」。人は疑問を持っていても自分の考えを信じたいと思うし、自らの弱点や苦境から目をそむけたがる。だが、その怖さに立ち向かっていくことが真の勇気ではないだろうか▼受験生は幾度となく苦境に対峙し、その都度自分をみつめてきたと思う。だから皆、勇気ある者であるはずだ▼受験生には自分を信じて今まで培ってきた力を存分に発揮してもらいたい。そして不安になったとしても決して自分を見離さないで欲しい。自分の努力を一番近くで見てきたのはまぎれもなく「自分」である。まずは自身の力を信じて欲しい。この春に努力が実を結び、望んだ場所で活躍できるよう願っている。(片岡航一)