文学部専攻徹底解説の第16回では、教育学専攻を取り上げる。今回は、文学部教育学専攻 2 年・O さんにアンケートを実施した。ぜひ参考にしてほしい。
――専攻の雰囲気は?
真面目で落ち着いた人から明るく活発な人まで色々いる。専攻自体は中程度の人数感だが、必修の原典講読がランダムにクラス分けされ少人数のため仲良くなりやすい。
――どのような分野を学ぶのか?
教育哲学、教育史、比較教育学、教育心理学の 4 分野を全員が履修することになる。教育に関する複数分野の学問の知識をつけ、さまざまな教育課題を多角的な視点から論じることを目指している。
――必修やカリキュラムは?
2 年次の必修は教育学概論(1 限)と原典講読(英語)だが、どちらも出席が厳しく、特に原点購読については欠席 2 回を超えた時点で落単=留年である。概論はかなり分かりやすく興味も持ちやすい授業であり、原典講読は毎週かなりの量の英文を読むため力がつく。3,4年次の必修はゼミのみである。また、卒業までに必要な単位として教育哲学、教育史、比較教育学、教育心理学の 4 分野の講義と、教育学特殊という 1 歩踏み込んだ専門性の高いテーマの授業を 8 コマ以上とらなければならない。こちらは興味に合わせて選んで理解を深めることができる。教育心理学系のゼミを目指す場合は実験の授業と統計の授業も取ることになる。この二つはかなり内容や課題の負担が大きい。
――この専攻の特性は?
よく誤解されやすいが、慶文の教育学専攻は一般的な教員養成を目的とした専攻ではなく、あくまでも漠然とした教育というテーマを四つの視点から理解する専攻である。実際、教職を取っている人もあまり多くない。教育は日常と関わりの深いものであることから、得た視点を活用しやすい。そのため、楽しく学ぶことができ、広く勉強してから 3 年以降のゼミで更に専門性を高めるので、自分の興味も探りやすい。
――この専攻に向いている人は?
身近なトピックなので視野が広がるのを実感しやすく、かなり自由度も高い。教育になんとなく興味がある人や、人間に興味がある人に広くオススメできる。ただし、出席が厳しい授業も多いし即留科目もあるのでその点注意が必要。課題は特別重い方ではないと思われる。
全 17 回にわたり、本特集を連載してきた。
移ろいの激しい時代にあっても、学びの営みそのものは脈々と受け継がれていく。本特集が、本年度の 1 年生諸君のみならず、未来にこの三田の丘で学ぶ塾生諸君にも読み継がれることを願っている。また、2025 年義塾文学部の姿を記録した本連載が、10 年後、20 年後に塾生時代を振り返る際の一つの拠り所となることを願い、ここに筆を置く。
(金田悠汰)