文学部専攻徹底解説の第16回では、西洋史学専攻を取り上げる。今回は、文学部西洋史学専攻 3年・Kさんにアンケートを実施した。ぜひ参考にしてほしい。
――専攻の雰囲気は?
欧米の歴史学習に意欲的で、国際情勢への関心が高い生徒が多い印象である。男女比はやや男子が優勢で、全体として明朗で積極的な生徒が多い。
――どのような分野を学ぶのか?
講義はほとんどが座学中心である。西洋史を古代から近現代に至るまで包括的に扱うが、高校教育における「歴史」に一般的な暗記型学習とは異なり、複数の資料(史料)を参照しながら、史実のさまざまな解釈を検討する探究的な学問である。
――専攻の特性は?
必修は全40単位と平均的だが、進級条件科目が少ないため、履修登録を柔軟に進めることができる点が特徴的である。第 2 学年の進級条件科目は「原典講読 I・II」という、英語で書かれた文献を講読する授業である。第 3 学年の進級条件科目は「西洋史演習 I・II」と呼ばれる、前年度の原典購読から第二外国語(独、仏、伊、西、露)で書かれた資料の講読に発展させたもの、そして「西洋史研究会 I・II(ゼミ)」である。
――なぜこの専攻を志望したのか?
第1学年で第二外国語の履修に力が入れられていたためである。上記のように、本専攻では第 3 学年の進級条件として第二言語での講読が必修とされる。文学部では第1学年の進級条件として英語と第二外国語の履修を必修としているが、せっかくならそこで培った語学力を 2 年生以降も活かしたいと考えた。実際に、3 年間で培った語学力を証明するために語学試験を受験する生徒もいる。
――この専攻に向いている人は?
やはり史学系から連想されることは「暗記」といった機械的な作業かもしれない。しかし、前述の通り暗記力が求められることは少なく、むしろ多くの資料(史料)を読み漁る講読力が必要とされる。たしかに AI などを活用することもできるが、複数の資料から自分なりの考察を立てるためには、文字を読むことに抵抗がない人が好まれるのかもしれない。
次回は教育学専攻を取り上げる。乞うご期待
(金田悠汰)