文学部専攻徹底解説の第9回では、フランス文学専攻を取り上げる。今回は、文学部フランス文学専攻2年・Kさんにアンケートを実施した。ぜひ参考にしてほしい。
――専攻の雰囲気は?
その名の通りフランス文学に関⼼を持つ学⽣が多いのは事実だが、他にもフランスの政治や社会、はたまたリーグ・アンに至るまで、とにかく「フランス」に関⼼を持つ学⽣なら誰でも受け⼊れられるという寛容さが本専攻の⾵⼟にあるだろう。
――⼈気や規模感は?
毎年1学年は10名から20名程度であり、⼩規模であると⾔える。専攻の授業でそのほとんどと毎回顔を合わせるため、仏文学専攻のメンバー全員と知り合いという⼈も珍しくない。
――どのような分野を学ぶのか?
フランス語、フランス文学、フランス文化の3つの柱があり、それぞれ必修科⽬がある。研究会では、多様な研究分野をもつ指導教員のもと、⼀⼈⼀⼈の関⼼に合わせた研究活動が⾏われている。
――必修やカリキュラムは?
2 年次の必修科⽬は「フランス語学演習I・II」、「フランス語表現演習I〜IV」、「フランス文学史I・II」、「フランスの文化と社会I・II」である。前者⼆つはおおよそ文学部必修の外国語と似たような授業で、フランス語能⼒の向上を⽬指すものである。後者⼆つは厳密には2年次必修ではないが、仏文学専攻における基礎をなす科⽬であり、⼤半の学⽣が2年次に履修する。
――この専攻の特性は?
まず特徴として挙げられるのが専攻学⽣数に対する教員配置の⽐率が⾼さである。これにより、学⽣個々の関⼼に応じた⼿厚い学修指導が可能な環境が整備されている。加えて、語学演習や表現演習では10数⼈の仏文専攻の学⽣をさらに3クラスに分割することも特徴と⾔える。各クラス4、5⼈で構成されるこれらの授業では、フランス語の新聞の購読やネイティブ教員とのコミュニケーションなど多様な内容な⽤意されており、フランス語学⼒を⼤きく伸ばすことができる。英語が必修科⽬でないということも、フランス語に没頭することができる理由となるだろう。
――なぜこの専攻を志望したのか?
私はとりわけフランス文学に興味があったわけではなく、どちらかというと1年次のフランス語の授業が⾯⽩く感じ、他の専攻にも興味を持てなかったためこの専攻を志望した。仏文に⼊った当初はこのような消極的な理由で3年間の学⽣⽣活を送れるかという不安があったが、フランスに関する基礎的な知識を習得していくうちに段々と⾃⾝のフランスへの興味の解像度が上がり、現在はフランス語をテーマとした⾔語学の研究を主眼に据え、学習を⾏っている。
――専攻に⼊ってからのイメージの変化は?
いわゆる文学作品に興味がある学⽣だけでなく、思想や社会など幅広い分野に関⼼を持つ学⽣が多いことが意外だった。
――この専攻に向いている⼈は?
フランスに興味・関⼼があり、「フランス漬け」の毎⽇を送る覚悟がある⼈にぜひ勧めたい専攻である。そうでなくても、ファッションや美⾷、映画など、とにかくフランスに関して何か興味があるなら、間違いなく⼊って後悔はしないだろう。次回は東洋史学専攻を取り上げる。乞うご期待。
(金田悠汰)