被災者が四千六百万人に上った中国・四川大地震を受け、5月13日被災地となった都江堰市は都市復興のために、仮設住宅の建設、被災者の支援、都市、農村の再生を目指して復興グランドデザインプロジェクトの公募を世界に呼び掛けた。

  その公募に慶應義塾大学(環境情報学部・厳網教授、政策メディア研究科特別研究教授・石川幹子教授ら)、東京大学、西南交通大学が合同で参加。7月12、13日に現地である都江堰市で提案を発表、公評が行われた。

 公募には世界各国から47チームが参加し、10チームがノミネートされた。各チームの提案は、都江堰市の復興に支援する上海市の同済大学チームにより統合され、8月に最終復興計画が作成される。

 公評後、主催者である成都市人民政府が参加した各機関に「都江堰市復興計画設計名誉賞」を贈与。この活動は無報酬、無賞金のため優勝は選ばなかった。

 今回の活動に参加した厳網林教授は、「世界遺産都市の再生と地球環境共生都市への復興という理念の下で、短い期間で多くの教員、学生を動員し、日中間、大学間、研究室間で活動した。これによってできた協力ネットワークは今後の復興支援にも活かされるだろう。これからも復興プロセスに積極的に関わっていきたい」とコメントした。