8月27日、三田キャンパス図書館旧館で、映画「ラストゲーム最後の早慶戦」で慶應義塾長小泉信三を演じた俳優の石坂浩二さんと、小泉元塾長の次女である小泉紗さんが初めて会談を行った。会談では、映画の話をはじめ、慶應義塾出身である石坂さんの学生時代の話や戦時の話など、昔の思い出を語った。

 「ラストゲーム最後の早慶戦」は先月23日に公開され、現在全国の映画館で放映されている。なお、今年5月には、慶應三田キャンパスで特別先行試写会も行われていた。いわゆる最後の早慶戦とは、出陣学徒壮行早慶戦(早大と慶大の野球部により昭和18年10月16日に早稲田大学の戸塚球場で行われた試合)のことで、戦時におけるアマチュア野球の最後の試合として有名である。

 監督は「ハチ公物語」などで有名な神山征二郎。太平洋戦争勃発に伴い、「野球は敵国アメリカのスポーツだ」として、六大学野球が廃止、さらに学生の徴兵の猶予もなくなった。そんな中慶應義塾長小泉信三は、戦争で二度と野球ができなくなるかもしれない若者のために、早稲田大学の野球部顧問に早慶戦を申し込む。しかし早稲田大学学長は猛烈に反対し、結果的に強行突破という形で、夢の早慶戦が幕を開ける。戦争という困難な時代に貫かれる信念と、夢を捨てない若者が描かれている。
 実際に作品をご覧になった小泉紗さんも、「大変面白かったです」とコメントした。