文学部専攻徹底解説の第2回では、社会学専攻を取り上げる。今回は、弊会所属の文学部社会学専攻2年・成沢緑恋さんにアンケートを実施した。ぜひ参考にしてほしい。
――専攻の雰囲気は?
社会学専攻は、GPA による選考があるため成績上位の学生が集まっており、それゆえに真面目で要領の良い学生が多い印象。また、後述するが、ひとえに社会学といっても、その研究領域は幅広いためユニークな授業も多い。
――人数や規模感は?
一学年 90〜100 名ほどで、男女比は 2:8 か 3:7 程度で女子が圧倒的に多い。受入人数は 90 名とされているが、毎年それよりも数人多く受け入れている。90 名という定員に対し、例年の志望人数は130 名前後であるため、社会学専攻を志望する場合は、第一志望にしなければ進むことは難しい。
――どのような分野を学ぶのか?
主に、社会学・文化人類学・社会心理学の 3 つの分野を学ぶ。社会学は、「社会規範とは何か」「社会はどのように形成されているか」など我々が今生きている社会や当たり前を見つめ直す学問。文化人類学は、異文化を研究する学問で、フィールドワークが特徴。社会心理学は、個人と社会のダイナミクスを科学的・実証的に明らかにする学問。
――必修やカリキュラムは?
2 年次では「社会学概論Ⅰ・Ⅱ」「文化人類学概論Ⅰ・Ⅱ」「社会心理学概論Ⅰ・Ⅱ」が必修科目であり、いずれも落とせば留年が決まる「即留科目」である。さらに、これらに加えて「社会学史Ⅰ・Ⅱ」「社会調査Ⅰ〜Ⅵ」も必修科目で、この 8 科目のうち 4 科目を卒業までに修得しなければいけない。そのほか、選択必修科目を 20 単位以上、選択科目(他専攻の授業含む)を 32 単位以上修得することが課せられている。
また、3 年次には「卒業論文コース」と「卒業試験コース」に分かれる。「卒業論文コース」を選択した者は、「社会学研究会」の単位修得と卒業論文を提出することが卒業要件となる。「卒業試験コース」を選択した者は、社会学研究会を履修せず、4 年次に選択必修科目を 4 単位以上修得すること、卒業試験に合格することの二つが卒業要件となる。
――この専攻の特性は?
基本的に、どの授業でも、毎回の講義でリアクションペーパーや小課題などの課題が出るため、課題に追われる日々を送っている。即留科目もあるため、勉強に手を抜けず精神的負担も大きい。しかし、レポートで評価が決まる授業が多く、他専攻に比べて学期末試験が少ないため、その点は比較的楽とも言える。
――何故この専攻を志望したのか?
受験期に読んだ文学部教授陣の論文集で、特に面白いと感じた論文が社会学専攻の教授の論文であり、その時から慶大文学部に合格したら絶対に社会学専攻に進むと決めていたから。また、マスメディアに関心があり、メディアが発信する情報の認知・伝達過程について深く知るため、社会心理学を専門的に学びたかったことも理由の一つ。
――この専攻に向いている人は?
課題が多いため、計画的に課題に取り組み、期日までに課題を提出することができる人。さらに、出席必須の授業も多いため、サボったりせず、きちんと授業に出席できる人。加えて、既存の規範や、社会のモラルをただ受け入れるのではなく、「何故そのような規範が存在するのか」「何故このモラルが形成されてきたのか」といった問いを立て、私たちの生活に根付く当たり前を批判的に見直す姿勢を持つ人。