三田祭も折り返しの3日目。西校舎ホールにて慶應一のエリートを決める大会が開催された。審査員にはロッテ代表取締役社長の玉塚元一氏、株式会社TERASS代表の江口亮介氏の両名をむかえ、5名の参加者がしのぎを削った。

大会は3部構成になっており、各部門ごとに最も優れたプレゼンターが選出された。第1部の自己PRでは、1分という限られた時間で自分の魅力をアピールした。この部門で1位の座に輝いたのはエントリーナンバー3、稲川夏希さん。これまで社会貢献に注力してきた経験について触れ、弁護士として労働問題の解決に尽力するという、今後の展望についても語った。江口氏は「全員優秀で甲乙つけがたい」と述べたうえで、稲川さんを選んだ理由として「これまでの実績だけでなく、このさき何をしたいかまで言及している点が素晴らしかった」と講評した。

第2部は「審査員からの挑戦状」。審査員自ら考えた、エリートならば分かってほしい問いに参加者が応じた。江口氏からは「成果を出すチームを構築するアプローチとは?」という質問が、玉塚さんからは「出世する人の共通点」について聞く質問がそれぞれなされた。江口さんの問いに対する解答のうち、最も評価されたのはエントリーナンバー1、河手マナミさん。「個々のメンバーに責任感を芽生えさせる」という解答の、チーム全体に目を向けた点が評価された。玉塚さんからの挑戦に対する受け答えでは、エントリーナンバー2、カー涯さんの解答が最も評価された。「主体性をもち決断する力をもつ人物」という解答が評価された。

最終の第3部は「プレゼン対決」。参加者ごとに異なるテーマが与えられ、純粋なプレゼン力が試された。この部門でトップに躍り出たのはエントリーナンバー5、鈴木英玲奈さん。「もし総理大臣になったとしたら実施したいこと」という課題であった。「日本の教育プログラムを、現状の詰込み型からアウトプット重視に変更する」という解答の、教育に絞って施策を提案できている点が評価された。

30分ノーストップで続いた戦いを終え、総合順位が発表された。真のエリートの称号を獲得したのは第1部で1位に選出された稲川夏希さん。稲川さんは「とても嬉しいです。エリートの名に恥じぬよう、学生生活も、就職後も邁進していきます」とコメントし、大会の幕は下りた。

姫野太晴