アーティスト、モデル、女優業、コスメプロデュースなど多岐にわたって活躍中の鈴木愛理さん。2022年にはデビュー20周年、23年にはソロデビュー5周年を迎えた。そんな鈴木さんに現在の活動から、楽しく生きるためのコツ、そして学生時代の思い出について詳しく話を聞いた。

本記事は、前編と後編の二部構成になっております。後編はこちら

 

開放的なSFCの雰囲気に惹かれて

 

――慶大を進学先に選んだ理由を教えてください。

大学に行くことは、芸能界に入った小学2年生の頃から両親との約束だったんです。慶應に行きたいと思ったのは、キャンパスビジットが決め手でした。いろいろな学校を見て、自然豊かで、開放感があって、勉強に集中できるSFCの環境に惹かれました。

 

――SFCではどのようなことを学んでいましたか。

入試で提出したエントリーシートに話は遡るのですが、エントリーシートに日本語がリアルタイムで他の言語に翻訳される機能がほしい、そういった分野を勉強したいと書きました。というのも、海外公演で日本語を外国語に訳したときに、「日本語の微妙なニュアンスが観客に伝わっていないんじゃないか」って思ったんです。そこで大学で認知科学とか音認知とか勉強したくなって。
SFCで認知科学を教えている諏訪正樹先生の本を読んで、感銘を受けたので、そのことをエントリーシートに書きました。ところがいざ入学してみたら、諏訪先生の授業が全部金曜日に開講していて。当時はアイドルだったので、事務所と、ライブのある金曜日は授業を入れないって約束しちゃってて。だから1個も受けられなくて(笑)。結局、脳に関する授業とか知覚運動スキル論とか似た分野の授業を取りました。2年生の春にはゼミに入って、卒論に向けて早めからやりたいことをやって研究を進めていました。

 

――SFCでの経験は今に活きていますか。

学んでいたゲームプログラミングがブログ作りに役立ちました。当時は、ブログでファンの方と交流していたので、授業で学んだことを活かしながらブログに動画のリンクや、自分の活動情報をまとめたものを貼り付けていました。
人脈も活きてますね。卒業してから大学で出会った人とお仕事をすることが増えました。音楽活動をする上で人と人を繋いでくれる仲介に同級生がいたりとか。大学での人との出会いに感謝しています。
あとは、ゼミで培ったアイデアのアンテナを張り巡らせる感覚も。何事も先駆者になる、自分で開拓していくことがモットーのゼミだったので、今ソロで活動する上で必要な企画提案や資料提出にその精神、感覚が役立っているなと感じます。

 

――学生時代の思い出を教えてください。

本当に楽しかった記憶しかないです。2、3限の授業中にお昼ご飯を食べてもいい授業があったんです。その授業に向かう最中、購買で買ったご飯を手に走っていたら、急ぎ過ぎて道端にお弁当をぶちまけちゃったこともあります(笑)。その日は友達にご飯を分けてもらってお腹を鳴らしながら授業を受けました(笑)。
SFCって、駅からも離れていて、周囲にあまりお店もなくて、限られたコミュニティなので特別感があって、そこが好きでした。自然に囲まれた場所なので、豚小屋の匂いがするんですけど、それが青春の香りです(笑)。とにかくすごくエンジョイしてました。

横山真緒

 

【プロフィール】

鈴木愛理(すずき・あいり)

アーティスト。慶應義塾大学環境情報学部卒業。

2002年にハロー!プロジェクトのキッズオーディション合格後、アイドルグループ「℃-ute(キュート)」やPopRockユニット「Buono!」として活動。2017年にハロー!プロジェクトを卒業し、翌年ソロ・アーティストとしてデビュー。その他モデルや女優業、コスメプロデュースなど幅広く活動中。