《走り続ける塾生》気象予報士 山下佳織さん(商4)

慶大商学部の現役大学生でありながらも、気象予報士として各種メディアにおいて活躍している山下佳織さん。学生と気象予報士という二つの顔を持つ山下さんに話を聞いた。

“空”との出会い・気象予報士の勉強

気象に関わるきっかけになったのは、小学校の理科の実験です。水とペットボトルを使って雲を作る実験なのですが、「何も無いところから雲がこんなふうに出来るんだ!」ととても感動しました。それ以来、空に興味を持ち、大学入学を機に気象予報士の資格勉強を始めました。資格勉強自体はどちらかというと、資格を取るためというより、“知りたい”という追求心の延長線のように感じていました。空には夏の積乱雲のように、見ていて素敵だと感じたり、迫力に圧倒されたりするものがある一方、多くの人を巻き込む災害を引き起こすものもあります。知りたいと思った空に関する知識を取り込んでいった先に、気象予報士の試験がありました。

商学部での学びとも繋がる“空”

私は気象予報士として主にテレビの仕事をさせてもらっていますが、大学で日々社会の構造について学ぶ学生でもあります。商学部の講義を受けていると、大学での学びと気象の知識が結びつくことがあります。たとえば夏は最高気温が27度から32度くらいまではアイスクリームの方がかき氷より売れる。でも32度を超えるとかき氷の方がアイスクリームより売れるということを学びました。そういった消費者行動など、大学で学んでいることと気象予報士としての知識が繋がると、社会についての理解が深まったと感じられて嬉しいですね。

学生の強み

「何ものにも染まっていないこと」が、学生ならではの良さだと思います。テレビ局でずっと働いていると、放送業界独特の考え方に偏ってしまうこともあると思います。もちろんベテランの方のアドバイスはとても貴重で、大切にしています。それでも、大人より少し若い目線で物事を見ることができ、「中高生だったらこれだとわからないかも知れない」と考えられることは私の武器です。自分なりに考えた原稿やCGに対して、「今までのアナウンサーやレポーターにはなかった中継で良いね」と言ってもらえるとやりがいを感じます。多様な年代で一緒に創り上げるからこそ出来るものがあると思います。一緒に働いている方々の中で、自分はまた別の世代として意見を言えるという環境はありがたいですね。

職場での山下さん(写真=提供)

学業と仕事の両立を支えるもの

周囲の方々の理解と気遣いには、常々感謝しています。気象予報士という仕事をしていると、世間一般の人と生活リズムが違ってしまうことも多々あります。深夜に出社して、午前4時から仕事をし、9時から一限に出席する日は、正直大変です。でも仕事も学業も手は抜きたくないので、限られた時間の使い方を工夫するようにしていますが、やはり辛い時は辛いです(笑)。そんな時、家族や会社の方々の支えが私を奮い立たせてくれます。ハードなスケジュールでも、周りの方が支えてくれるからこそ、頑張らなきゃという責任を感じますね。学業と仕事の両立は自分一人では中々難しいところもあるので、周囲の皆さんの支えが不可欠ですね。感謝しかないです。

課外活動も手を抜きたくない

大学では、経済新人会マーケティング研究部というサークルに所属していてビジネスコンテストにも参加してきました。一番印象に残っているのは、銭湯の再生について考えたものです。年々減ってきている、小さな銭湯の営業力を上げるためにはどうすれば良いのか、グループで話し合いました。考えてみれば、当時私自身も銭湯の利用方法を知りませんでした。知らない場所は敷居が高いと感じてしまうこともあります。そこで一連の銭湯の利用方法についてお客さんの目線で動画を撮影し説明する案を提案しました。グループ活動の過程で、幅広い世代の方々とお話しできたことは良い経験になりました。

今後の展望

私にとって、若いうちから社会人の方々と仕事できたことは、自身の糧になっています。自分ならではの目線と、今までいただいてきたアドバイスの両方を自分の中に蓄えながら、客観的に物事を見られる人になっていきたいですね。だからこそ、自分の好奇心の向くままに、沢山のことを両立してきたエネルギーは、これから先、社会に出てからも活かしていきたいです。

(太田小遥)

【お詫びと訂正】
2022年9月20日(水)発行の3面に掲載いたしました「塾生インタビュー」にて、掲載内容に一部誤りがございました。

・訂正箇所:見出し
誤)気象予報士 山下佳織さん(商3)
正)気象予報士 山下佳織さん(商4)

訂正させていただくとともに、深くお詫び申し上げます。