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《高輪ゲートウェイ駅》反対運動の発起人 能町みね子さんに聞く

「JRが山手線の新たに開業する駅の名称の公募をやっているのは知っていて、どのような結末になるのか、危なっかしいと思いながら見ていました」

そう語るのは、新駅の名称撤回運動を立ち上げた、コラムニストの能町みね子さんだ。
昨年12月に新駅の名称が発表された際には、「案の定、変な名称に決まってしまった」と、がっかりしたという。「公募のうち、1位から3位までの候補は、真っ当な地名や歴史に基づいた名称だったのにも関わらず、130位の『高輪ゲートウェイ』が選ばれたということが、とても残念でした」

最初は、この一連の騒動について、雑誌のコラムで批判的に取り上げただけであった。しかし、約95パーセントが反対と回答しているアンケートや、数多くの批判的意見に接する中で、老若男女、思想を問わず、とても多くの人がこの決定に反対しているのだと考えたという。

そこで、このままでは使用されはじめてしまう駅名も、署名を通じて問題提起することで変わるかもしれないと思った能町さんは、半ば突発的に、Webサイトでの署名活動をスタートさせたのだ。

はじめは、具体的な目標などは考えていなかったと話す。「この問題は、政治的な問題と比較すると、そこまで大ごとでないでしょうし、新駅を利用しなければそもそも関わりのない議論だからです」しかし、運動開始からわずか1ヵ月ほどで、5万人以上の署名が集まった。だからこそ、『高輪ゲートウェイ』という名称に対する人々の抵抗感がとても強いことが分かり、運動の意義を実感しているという。

 

駅名は公共物 地域に根付いたものを

能町さんは、一連のプロセスにおける問題の本質を、「形だけの公募を行ったため、この名称にする理屈が通らなくなった」ところにあると指摘する。

実際、最初から公募などせず、『グローバルゲートウェイ品川』という再開発プロジェクトに基づいた名称を、そのまま発表してしまった方が、まだ筋は通っているといえる。「単なる『反対』という感情に加え、決定プロセスの理不尽さが、さらに印象を悪くしていると思います」と話す。

加えて、名称の決定に関わった担当者や、決定に至る経緯が、全く説明されていないのが現状である。能町さんは、JR東日本自体が、このことをあやふやにしようとしているのではないかと感じているという。

今後の展開について、運動を共に進めていく専門家を集めている途中だと話す。能町さん自身は鉄道や地名の専門家ではないため、この名称が駄目である理由について、学術的な裏付けを求めている。「さまざまな領域の専門家たちと連携し、JR東日本に正式な形で文書を提出したいと考えていて、すでに賛同してくれた専門家もいます」

最後に、能町さんはこのように話した。「多くの人が利用する駅の名称は、地名と同じくらいの公共物であるといえます。駅名は、その地区・地域のアピールともなる重要なものであり、その土地に深く根付いたものであるべきだと考えています」

(湯宇都)

 

【プロフィール】

能町みね子(のうまち・みねこ)
日本のイラストレーター・エッセイスト。1979年に北海道に生まれる。茨城県立土浦第一高校、東京大学を卒業。2005年よりブログ「オカマだけどOLやってます。」を開設、話題を呼ぶ。これを機に著述業を本格的にスタートさせ、多くの雑誌やテレビ番組などで活躍している。

 

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