総評

 関東大学対抗戦が終了し、六季ぶり優勝を目指した慶大は二年連続で3位に終わった。新潟で行われた春の定期戦で早大を圧倒。夏の菅平の試合でもライバル相手に終了間際までリードを奪ったが、結局秩父宮では蹂躙された。

 対抗戦を通じて、とにかく点の取られ方が良くなかった。格下の相手でも毎回のように先制される。リードしても前半ロスタイムなど、一番失点してはいけない時間帯に失点をする展開が何度も見られた。数字の上でも内容でも満足のいく試合は、最後の立大戦くらいだ。

 バックスは、山田頼みになっている感が否めなかった。中浜や小田の攻撃参加は有効な手段ではあるが、いざという時はやはり山田。善戦したと言える早大戦も、山田の気迫の2トライが無ければ内容面での収穫は感じられなかっただろう。また、帝京大戦ではその山田にボールが有効な形で渡らず、悔しい敗戦を喫している。

 ただ、弱体化が指摘されていたFWは、明大には押し込まれさえしたが粘りを見せ勝利に貢献。去年までは竹本が君臨していたNO8には対抗戦中盤以降ようやく松本(環1)がスタメンに定着。フロントロー3人も安定感を見せ、去年と変わらないまでの力を発揮した。ただし、早大戦ではラインアウトでのミスが目立つなど、まだ改善していく必要がある。

 慶大以外の他校はどうだったのか。優勝したのは早大だったが、各校を圧倒した去年のような力は感じられなかった。去年慶大が対抗戦で完封負けを喫したことを考えれば、早慶の差は相当に縮まったと言える。

 ただ、それ以外のチームも確実に底上げがなされている。明大は『重戦車』FWが復活。バックスが活躍した慶大には敗れたが、ここ最近辛酸をなめさせられていた帝京大は圧倒した。伝統の早明戦では、早大の低い当たりになす術無く敗れたものの、来季以降の『完全復活』に大きな期待を抱かせた。今季の大学選手権でも台風の目になるかもしれない。

 慶大にとっては、大学選手権の『正月越え』は厳しい状況だ。初戦でいきなり関西の強豪・同大と対戦。それに勝ったとしても二回戦では早大との対戦が濃厚だ。突破には、いかに対抗戦で見つかった課題を修正できているかが肝心だ。

(羽原隆森)