6月1日に総合政策学部長に就任した阿川尚之教授が、塾生新聞とのインタビューに応じ、総合政策学部長の任に就いた感想や学生に向けたメッセージなどを語った。インタビューの中で阿川新学部長は「与えられた仕事を一つ一つ誠実にこなしていくこと」と自らの抱負を述べた。

(舟橋美奈子・鈴木香央里)

 入学試験の頃から一時体調を崩した小島朋之前学部長の代行を務めていたが、学部長選挙が前倒しで行われ、前学部長の残存任期を受け継ぐ形で就任した。SFC全体で新執行部が正式に揃うのは10月1日以後なので、それまでは2年間の任期をどのように努めるかを考えながら、実際に仕事をしているという。

 まず、学部長としての自身の抱負と総合政策学部(あるいはSFC)の運営方針について、「与えられた仕事を周囲と相談しながら、自分に出来る範囲で、一つ一つ誠実にこなしていくこと、ルールに則り、明確な手続きを示し、迅速に効率よく、しかし間違いがないように努めること、そして積極的な情報公開を基本にしたい」と語った。また、学部長になったからといって肩に力を入れず、ユーモアのセンスを持って仕事を楽しみ、学生と接したいという。

 現在のSFCについては、「課題は山のようにあり、一つ一つ解決せねばならない」と述べた。だが、「SFCには、学部1年生から博士課程まで一体の緊密なコミュニティー、学生にとって身近で積極的な教職員、豊かな自然の中で四季の移ろいを感じられる環境など、非常に良いところが数多くある。そのような恵まれた環境の中で、SFCの学生諸君は、勉学やその他の活動に主体性をもってのびのびと取り組み、まっすぐで大きな、独立した人格に成長してもらいたい。教職員一人一人は質が高く、心のこもった授業・研究、その支援を通じて、学生の成長を支える」と語った。 まだ将来やりたいことが明確にわからない、決まっていない、という学生に対しては、「焦る必要はない。自分だって、35歳になってようやくやりたいことが見つかった。大事なことは、常に思索を続け、深めること」と自らの過去を振り返った。

 早くから専門に特化するのもよいが、この先一生接する機会がないでであろう学問や活動にも挑戦してほしい。バイオ分野に特化しながら、インドネシア語やアラビア語を学べるのはSFCだけ」という。そして、分野にかかわらず、何より自分自身で考え、考え抜く力をつけてほしい。それこそが、大学生が身につけるべきこと。。その第一歩として、今年入学した1年生には『私の夢の卒業制作』という課題を出したそうだ。