塾生の卒論、英科学誌に掲載 学部生の論文では異例

 慶應義塾大学理工学部物理情報工学科齊藤英治研究室所属の内田健一さん(理工学研究科 修士課程1年)の学部卒業論文が10月9日付の英国科学誌「Nature」に掲載された。

 内田さんは、新しい熱エネルギー変換現象である「スピンゼーベック効果」を世界で初めて発見・実証した。

 この現象は、電流や磁界を用いずに磁石の両端に温度差を付けただけで磁気の流れ(スピン流)を作り出せるというもの。電流を伴わずに磁気情報のみを輸送できるという利点がある。そのため発熱によるエネルギー損失が避けられることから、磁気メモリーや磁気ディスク、量子コンピューター等を高効率に駆動することが出来る新しいエネルギー技術としての利用が期待されている。

 科学者の夢といわれる同誌への掲載だが、学部生の論文が掲載されることは極めて異例。齊藤英治専任講師は「今回のことは大変喜ばしいことであり、慶應生のレベルが世界的なものであることが証明された」とコメントしている。