「慶應の学食って、どうなのだろう」「たぶん、学食ってどこもこんなものだろう」、なんてみなさんは思っているのではないだろうか。そこで、慶應の学食を客観的に見つめるべく、他大学5校の学食を食べてきた。ここでは、他大学の学食を紹介すると共に、それと比べた慶應の学食について書く。普段学食を利用する人も、しない人も、是非参考にして欲しい。

(名倉亥佐央)

 始めに、多摩にあるC大学から紹介しよう。まず感じたことは、とにかく、食堂の数が多いこと。キャンパスの奥の方に4階建ての食堂があり4階にはなんとマクドナルドまである。自然に囲まれているため4階からの眺望は素晴らしい。

 食堂棟以外にも食堂があって、合計9カ所の食堂がある。筆者は雑誌にも掲載されたというカフェで野菜テイストのカレーを食べた。ボリューム的には普通だったが、野菜の醸し出す独特の風味が楽しめた。「食堂の数が多いことがなにより。その日の気分によって食堂を変えられる」とC大学の学生は語った。

 次は国立のT大学。学食のメニューは和洋中がそろっており、全体的に慶應よりも安くてボリュームが多い。食堂の周りには芝生の公園があり、ガラス張りでおしゃれな景観。学生数が少ないだけあって、混雑時でも食堂は慶應よりもずっとすいているのも魅力のひとつ。

 また、T大学にはキャンパスのはずれに、本格的なフレンチの店がある。800円のコースはパンとサラダに、肉、魚かパスタから一つの主食を選ぶもの。味はとてもよかったが、学生には高めで量も物足りないかもしれない。職員や一般客が多く、学生はあまり利用しないそうだが、気分転換に洒落た昼食というのもよいだろう。

 さあ、お次は目白にキャンパスをかまえるN女子大学。女子大にも関わらず、なぜか男子学生のグループが散在することはさておき、同大学では、人気メニューの、ハンバーグの上にカルボナーラソースをかけた料理を食べた。珍しい組み合わせだが、これがなかなか美味だ。食堂には清潔感が漂っていて、料理のボリュームは少なめだが、ケーキなどデザートの種類が豊富。女子大らしさがうかがえるところだ。

 最後に中央線沿いにあるM大学を紹介する。この大学は地上23階建てのタワーで有名だが、食堂は17階にある。料理は慶應の学食と大差はなかったが、なによりも都心を一望できる眺望のよさに圧倒された。ひとりで景色を楽しみながら昼食をとっている学生が多かった。

 さて、慶應の学食はどうだろうか。キャンパスごとに学食の果たす役割が違うことが慶應の一つの特色であろう。SFCのように周辺に飲食店がほとんどない場合、学生は学食を利用する機会が多くなる。一方、三田や日吉の周辺は飲食店に富んでいるので、学食を利用する人は意外に少ない。

 他大学と比べてみても、慶應の学食は満足のいくものだと思う。日吉の食堂などは広く、混んでいても奥の方に行けばまず座れる。食堂の数はあまり多くないが、日替わりメニューを扱っている場所も多くて、料理を食べ飽きてしまうということはない。また、他の食堂とは一風変わった、洒落た食堂もある。

 三田キャンパス北館1階にある、ザ・カフェテリアという食堂。店内には観葉植物が配置されており、落ち着いた雰囲気が漂う。学生から教職員まで様々な人が利用している。筆者はオムハヤシというオムレツにハヤシソースをかけた料理を注文した。値段は480円と普通の学食より少し高めだが、ボリュームも味も満足のいくもので、見た目が凝っていて、見ていても楽しい。日替わりランチもあるので、まだ行ったことのない人には是非お勧めしたい。