ウォーカーブランドが展開する、おでかけ情報メディアそのWEB版である『ウォーカープラス』の現編集長で慶大文学部出身の先輩でもある浅野祐介氏が登壇したセミナー「ウォーカープラス編集長が直伝!魅せる文章の作り方」(2017年2月8日@KADOKAWA市ヶ谷オフィス)に参加してきた。

 
企業が発信するニュースリリースを基に記事を作成する場合、「作り手の主観が入った言葉を、読者の皆さんが受け取りやすい客観的な言葉に直して伝えることがメディアの役割」と浅野編集長は語る。また、WEBメディアにとって重要なのは、思わずクリックしたくなる魅力的な見出し付けであるそうだ。

「編集者としてユーザーに届ける言葉と、魅力的な文章表現はよく似ている」。浅野氏曰く、“読み手の心を動かす”魅力的な文章を作るにはまず読者のニーズと気持ちをしっかりと理解した上で、読みやすくかつ客観的な言葉でメッセージを伝えることを心がけるべきだという。ともすれば書き手や作り手側のレベル感で思いやこだわりを強調しがちだが、それでは伝わらないという。その意味で、自分のとても好きな分野(例えばファッション)の雑誌を担当するのが良いかというと必ずしもそうではないケースがあるそうだ。

一方で、「むやみに読者におもねったり媚びたりする必要もない」とも浅野氏は言っており、「読み手のニーズ」を踏まえた上で、「作り手の思い」をいかに客観的かつわかりやすく伝えるか、が「プロの妙味」と言えそうだ。

同様に、タイトルをつける場合にもありふれたものではなく、読者のニーズに訴え、記憶に残るようなものでなくてはならない。

実際のセミナーでは、就活のエントリーシートというテーマで、400字の自己紹介に長所2点と短所を書いて、タイトルをつけるという題材で編集長直々に添削、コメントをしてもらった。記者が受けたアドバイスは3点あった。1点目は、「私は」という出だしの文章は非常に多く、ほかの人との差別化が図れないので極力避けるべきであるということだ。2点目は、前述した通り、読み手の目線に立って文章を書くということである。ありふれたアドバイスのように見えるが、自分で書く文章を相手の視点に立って書くというのは案外難しいものだった。例えば、今後エントリーシートなどを書く場合、自分の意図を人事担当者に直接説明する機会は与えられない。自分の考えを100%伝えきるために読み手のニーズや立場に立って普段から文章を書く習慣をつけておく必要があるだろう。

3つ目のアドバイスは、「場面によっては短所も長所ととれるように書こう」というものだ。浅野氏が一例として取り上げたのは、記者の文章中に短所として登場した「自分は先輩後輩などの縦の関係を意識しすぎるあまりに、決断力を欠いてしまう」という部分だ。この短所は、翻せば「先輩や上司の指示によく従い、上下関係の意識をしっかりと持っている」と捉えることもできる。自分自身や製品をPRしたいような場面では、解釈次第で短所も長所として捉えられるような書き方も可能である、ということだ。

2時間という非常に短い時間の中ではあったが、10名程度の少人数制であったこともあり、たっぷり添削、コメントを受けられ、非常に贅沢な体験であった。

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