慶應義塾大学と日立製作所は2月29日、サイバーセキュリティ分野の共同研究を開始すると発表した。IOT(Internet Of Things)などの技術を基盤とした「超スマート社会」の実現に向けて、インターネットのセキュリティ技術の向上のみならず、それらを浸透させるための人材の育成、社会制度の提言も実施する。

インターネットを前提として様々なインフラが構築され、多種多様なシステムが相互に繋がる「超スマート社会」において、セキュリティの脅威も高度化・複雑化する。情報漏洩やサイバー攻撃などの脅威を取り除き、インターネットを安全に使っていく必要性が高まる。慶大環境情報学部長の村井純氏は、「IOT社会の発展に伴って、インターネット技術者のみならず、様々な産業に従事する人にも、セキュリティの知識が求められるようになる」と語る。

慶大は、従来からインターネット研究を先導してきた。IOT を含む技術のみならず、社会制度を含む多様な研究実績を持つ。昨年8月には、今回の共同研究の先駆けとして先導研究センター内に「サイバーセキュリティ研究センター」を設置したばかりだ。一方、日立製作所は、高い技術力と信頼を持ち、実フィールドでの経験も豊富だ。日立製作所の小島啓二執行役常務CTO兼研究開発グループ長は、「慶応が持つ発信力と、人材教育の実績に期待している」と意気込みを語った。

共同研究では、はじめにSOC(Security Operation Center)の連携技術に取り組む。複数のキャンパス間でのSOC連携により、インシデント対応を強化する。その際、利用者のプライバシーの配慮する研究を行う。共同研究は2020年を見据えて行われる予定だ。「日立と慶応が核となってサイバーセキュリティをグローバルに浸透させていきたい」と両氏は期待を寄せる。