11月22日14時40分、旧図書館前にて、慶應プロレス研究会によるパフォーマンスがあった。同研究会選手らによる熱い試合が繰り広げられた。試合開始前、リングの周りには、老若男女を問わない大勢の観客が集まった。慶應プロレス研究会は「くだらなさ」を重視している。本格的なものではなく、面白いプロレスをする。多くの観客がプロレスに詳しくない三田祭では、それが盛り上がるのだ。

第一試合は、小泉ちんじろうvs朝倉母乳の戦いであった。三田祭のトーナメント式試合、Kカップの決勝戦だ。試合は、慶応プロレス研究会らしさ全開で進んでいった。解説は軽快で面白い。ワザの解説のみならず、選手個人のエピソードなども交えながら行われた。朝倉選手の元カノのエピソードには、会場から笑いが沸き起こった。試合途中選手がリング外に飛び出すというハプニングもあった。客にチョップを求めるという、エンターテイメント性溢れる試合だった。勝者は小泉ちんじろう。旋回式ぺディグリーを豪快に決め、20分にも渡る試合に終止符を打った。3カウントの合図が終わると、観客席からは歓声が起こった。

K1チャンピオンに輝いた小泉ちんじろう

第二試合は、マラ橋弘至vsマチョ・ギャローズ。マラ橋弘至は、慶應プロレス研究会の代表だ。マチョ・ギャローズは、愛知大学プロレス同好会の部員かつ、「愛知ヘビー級選手権」の前チャンピオンである。同選手権は今までに3度行われ、その全てはマチョ・ギャローズと慶應の対戦だった。マチョ・ギャローズにとって今回は4度目の防衛戦となった。笑いなしのガチンコ勝負になるかと思いきや、こちらもエンターテイメント性を忘れない。マラ橋弘至の本名が暴露されたり、試合中、一旦休憩がとられたりするといった、学生プロレスらしい一面もあった。終盤になると試合の緊張感は高まっていった。豪快な投げ技が決まり、勝者はマラ橋弘至に決まった。新しいチャンピオンの誕生だ。

リングの外に飛び出すマチョ・ギャローズ

プロレスはリング上の選手だけのものではない。コミカルな笑いを届ける解説者、選手を手拍子で応援する観客、みんなが一体になって作り上げるプロレスだった。

 

(野尻茉央)