2021年12月に設立され、東京を中心に街歩き・巡検などを行う慶應地理倶楽部が今年6月、ついに「1限マップ」を完成させた。本サークルを設立し、1限マップを制作した部長の舘恒太朗さん(経3)と副部長の藤井瑞起さん(商3)に1限マップ制作秘話や今後の活動への展望を聞いた。

 

慶應地理俱楽部を設立したきっかけ

 

部長の舘さんと副部長の藤井さんは当時、東大の地理サークルの活動に参加していたという。それは、東大だけでなく、早大や法大などの周辺大学にはある地理系のサークルが慶大にはなかったためであった。そこで慶大でも地理サークルの活動を行いたいという思いが強くなり、設立に踏み切った。

 

普段の活動

 

都内各地への巡検を行っており、普段、個人では行かないような場所を目的地として設定している。新歓期間は慶大にちなんだ場所を目的地として設定していた。

 

1限マップ制作のきっかけ

 

立命大を始めとする他大学には既に1限マップが存在していた。また、慶大にも存在はしていたものの、それは電車を用いて日吉キャンパスの1限に間に合う最遠の駅だけを示したものであり、各駅の詳細な時間がわかるものではなく、使用しづらかった。そのため、より精度の高い1限マップを制作したいと考えたそうだ。

 

1限マップの制作方法

 

書店や駅で入手した時刻表をもとに手作業で制作した。日吉駅を起点に在来線の時刻表や路線図を用いて、各沿線・各駅を一つずつ辿っていき、データをExcelに入力する。この際、インターネットに掲載されている、実際に自身の足で調査したと思われる「乗り換え時間調査」の記事を参考に乗り換え時間を計算したという。そして、Excelを使用して集めたデータをシェープファイルに変換し、GIS(地理情報システム)に読み込ませ、マップを作成。この膨大な作業を完了し、1限マップが完成するに至るまでなんと1日4~5時間の作業を4か月ほど行ったと舘さんは語る。

 

制作にあたって最も大変だったこと

 

首都圏ならではの各線が入り混じる交通網では、日吉駅から各駅をたどる際にどうしても重複が生まれてしまう。その重複を避け、一つずつ確実に、1限に間に合う最も遅い時間に日吉駅に到着する通学方法を考えるのは非常に骨の折れる作業であったという。また、GISの使用方法も難しく、先述したExcelのデータをGISに読み込ませるためのシェープファイルへの変換方法を理解することにも時間を費やしたそうだ。ChatGPTの助けも借りて、何とかデータをGISに読み込ませることができた、と舘さんは語った。

 

更なる1限マップ制作について

 

今回の1限マップは日吉キャンパスのものであり、在来線だけを用いたものであった。実際に、新幹線を用いれば、兵庫県からも1限に間に合うことは可能であり、高速バスを用いれば、木更津方面からはもっと短時間で日吉キャンパスに到着することができるのだ。だが今回の制作方法では、在来線以外の交通手段に範囲を広げることや、より多くの通学方法のある三田キャンパスなどの1限マップを制作することは非常に困難であるといえる。そのため、乗り換え検索を自動化できる自作の検索機能を制作し、さらに多くの交通手段に範囲を広げた他キャンパスの1限マップも制作したいと舘さんは語る。

 

今後のサークル活動について

 

巡検の活動は、部員数の多い東大の地理サークルがメインで行っているため、慶大の地理俱楽部ならではの活動を広げていきたいという。特に、今回の1限マップを制作でも用いたArcGISは慶大生であれば無料で使用できるシステムであるため、今後もGISを積極的に活用していきたいそうだ。また副部長の藤井さんは商業の観点から、敷地面積や売り上げの地域別考察や、大学の近辺では商業はどうなるのか、などの教育と商業の関係性について考察する活動も行っていきたいとのことだ。

 

現在はまだ未公認サークルである慶應地理俱楽部だが、慶大の地理俱楽部ならではのカラーを打ち出していき、公認サークルになることが目標であると二人は熱く語った。

 

慶大日吉キャンパスの1限マップ(全体版)
慶大日吉キャンパスの1限マップ(拡大版)

 

大隅伶