「普通の女子大生に見えませんか?」弘中綾香アナウンサーは、自身の塾生時代をこう振り返る。

三田祭最終日となる23日、南校舎ホールにて4学部合同ゼミナール委員会による三田祭講演会『弘ナカさんを連れてきた。』が開催された。登壇したのは、中等部、慶應女子を経て、慶大法学部政治学科を2013年に卒業したテレビ朝日の弘中アナ。自身が就活時に取り組んだ活動や心構えについて講演した。

笑顔で登壇する弘中アナ

入社したテレビ朝日について、「本当に仕事が楽しい。(自分に)合った会社に入れている」と語る弘中アナ。スポーツ経験なし、課外活動なし、留学経験なし。いわゆる「普通の女子大生」である彼女が自分に合った企業に入社できたのは、綿密な自己分析の賜物だった。

「自己分析が9割」。自分のことを知り言語化することで初めて、面接官に自分の魅力を伝えることができる。弘中アナが就活時に作成したのは、自分史・自分年表だ。事実、感情、行動、結果の4要素を大きな紙に描き込む。起きた出来事に対してどのような感情を抱き、自分はどうしたか。結果として何を得たのか。自分のこれまでを書き起こすことで、点と点だった出来事が線になる。

たとえば、中等部合格のために毎日粘り強く勉強していたという小学生の経験。それが「今でも机に向かうのは嫌いじゃない」という継続力や集中力につながっていると語る。

自身の就活について振り返る

弘中アナにとって、仕事は「自己実現のための手段」。会社の力を借りるような気持ちでいいのだという。「自立した女性」「都内1人暮らし」「欲しいものを買う」というなりたい自分になれた実感があるからこそ、仕事に楽しさを覚えることができる。

終盤には、観客から質問を募集し弘中アナが答えるコーナーもあった。「新卒1年目の苦労を乗り越える方法は?」「選んだ道を後悔しないようにするには?」という就活に関わるものから、「1番いい匂いだった芸能人は?」「好きな男性のタイプは?」というカジュアルなものまで、質問は多岐に渡った。「どうすれば小顔を維持できますか?」という質問には、「若い今は丸顔を楽しんで」と回答し、会場は笑いで包まれた。

質疑応答では笑みが溢れることも

講演会の最後、弘中アナは「自分なんて…」と思わず、気になったらどんな企業でも受けてみることを推奨した。今回の三田祭講演会のような機会は弘中アナにとって初めて。「人前で話すようになるなんて、思わなかった。だから、『自分のことなんて…』と思わないで」と講演を締めくくった。

(野田陸翔・山下和奏)