留学に漠然とした憧れを持つ学生は多いだろう。しかし、いざ留学をしようと決意をしても、膨大な情報を前に当惑することは往々にしてあるものだ。そこで、今回は留学を考えている学生へ、手始めとして留学の基本の「キ」から説明をしていく。

さまざまな留学形態

まず、留学は主に短期留学と長期留学の2つに分類される。短期留学とは、春休みや夏休みを利用した短期間の留学のことである。慶應国際センターでは、毎年春と夏に、短期プログラムが開催されていたが、今年はコロナの影響で現地での開催は中止となった。

長期留学とは、半年(1学期)以上の長期間の留学のことで、主に派遣交換留学と私費留学の2つがある。私費留学とは、大学を通さずに個人で手配する留学のことである。一方、交換留学とは、大学が交換協定を結んでいる海外の大学に学生を派遣する留学プログラムだ。留学中に取得した単位が日本の大学での単位として認定されることもあり、また要件を満たしていれば遡及進学をすることもできる。

さらに、留学先の大学への学費納入の免除など、さまざまなメリットがあり、多くの学生にとって魅力的なプログラムとなっている。

よくあるQ&A

以下、質問に答える形で、交換留学の基本について詳しく述べていきたい。この回答の作成に際しては、2021年9月からアムステルダム自由大学に留学している法学部3年生(以下A)と、2022年9月からヴェネツィア大学に留学予定の法学部3年生(以下B)にインタビューを行った。

――交換留学について考えたのはいつ頃?
留学の1年以上前から、留学を意識し、準備を始める学生が多い。

A.親の勧めがきっかけで、中学生の頃から、漠然と留学について考えていた。
B.友人の誘いがきっかけで、1年生の春休みから留学を意識し始めた。

――交換留学の情報はどこで集める?
基本的には、慶應の国際センターのHPを参照する。HPにある『留学のてびき』という資料には、留学する上で必要な情報が網羅的に載っている。
また、各キャンパスの国際担当窓口は、随時留学相談に乗っているので、そこに立ち寄ってもよい。

B.主に、慶應の留学サイト、協定校一覧のページを参照したが、願書に取り掛かる際には、先輩の留学報告書(国際センターHPにある)を熟読した。

――交換留学に向けて必要な勉強は?
交換留学では、大学の学業成績(1年次からのGPA等)や、語学能力の基準(TOEFLやIELTS等)が課されることがほとんどである。日々の学校の勉強や、留学先で使う語学の学習をすることが必要だ。

――語学のテストの受験はいつ頃?
英語以外の語学のテストには、年に数回しか実施されないものもあるので、早く受験するに越したことはない。

B.8月の半ば頃に、IELTSを受験した。
A.出願の2週間程前に、受験した。なんとかスコアが取れたので良かったが、本当に危なかった。
「語学テストだけは早めに受けておけ!」ということは切に伝えたい(笑)。

――出願する上で一番気をつけたことは?
A.どうして留学に行きたいのか、留学してどのようなことをしたいのかについて、明確にし、説得力を高めることを心掛けた。

自分の留学の目的を突き詰めることは、貴重な1年間を無駄にせず、充実した留学生活を送る為に大切なことだ。これを読んで、留学への興味が増した人は、なぜ留学に挑戦したいのか、まず自分の心に説いてみよう。あとは、その心の赴くままに、真っ直ぐ前へと進むだけである。

(野尻茉央)