コロナ禍も三田会の伝統、絶やさない 1997年三田会代表 河合史貴さんインタビュー

 

慶應義塾の伝統、「寄付金集め」について

卒業25周年の代が毎年やることとして、寄付金を集めるということが挙げられる。この「寄付金集め」も慶應義塾に代々受け継がれる伝統的な文化だ。

「同期同士で再会や新たな出会いを楽しむということに加え、同窓会は慶應義塾に対しての恩返しとして、現役学生たちへの奨学金をみんなで集めようという目的もある。3月の卒業式で25周年の卒業生一同からの寄付金贈呈を行うことも、長きにわたって受け継がれてきた伝統です」

この一大イベントとなる寄付金集めもひと工夫されている。

「やっぱりできるだけ手間をかけないで寄付できるようにしたい。クレジットカード決済や、ネットバンキング、口座振り込みなど、払い方の種類をできるだけ多く用意したり、ホームページの刷新にお金をかけたりと、少しでも寄付へのハードルが下がれば良いかなと思います」と河合さんは話す。

例年、卒業25周年の同期で集める寄付金は全額、奨学金か慶應義塾の研究補助金に充てられる。お世話になった義塾への恩返しとして、後輩たちを寄付金で支援する。福澤諭吉から受け継がれる社中協力の精神が垣間見えるだろう。

 

年度を貫くアイデンティティー

慶應義塾の卒業生の間には強い帰属意識があるが、その象徴ともいえるのが年度三田会だろう。卒業年度が本来の年度とずれていても、自分が希望する年度三田会に所属することができるのだ。

「例えば留学や停学したり、不本意に留年してしまったりして卒業年度がずれたとしても、『この代に思い入れがある』とアイデンティティーを持っていれば、卒業年度とは違う三田会に所属することはどの代もウェルカムです」

さまざまな人がいて、それぞれ異なる価値観を持つ。それをみな包み込むのが慶應義塾であり三田会であると河合さんは話す。「本当に懐の広さですよ(笑)。卒業年度に限らず、学部や所属した部やサークル、ゼミに至るまでみな帰属意識を持っているのが慶應の良さだと思います」

 

慶應義塾の良さは卒業後にわかる

社会に出て自分が慶應の卒業だというだけで、親身になってくれる先輩が大勢いると河合さんは語る。

「例えば会社の取引先との商談で、お互い慶應を卒業していたというだけで一気に話が弾んだりする。これは他の大学では聞かないことで、本当に不思議なことだと思います」

さらに、慶應義塾に在籍していればその卒業年度は一切関係ないのだと自身の経験を踏まえて河合さんは話す。

「慶應義塾で経験したことは世代によって変わるものではない。こないだ仕事で慶大卒の若い子と会う機会がありましたが、不思議と何かしてあげたい、話したいという気になりますね(笑)」
なぜここまで慶應義塾の卒業生は結びつきが強いのか。塾生、塾員を貫く福澤諭吉の精神が大きい。

「慶應義塾の教育や社中協力の精神、在学中に育まれた愛校心は卒業生の間で広く根付く。やっぱりみんな慶應が好きなんですよ」と河合さんは笑顔を見せる。

「自分がたまたま入った会社だったり、近所のおじさんだったり、ジムでたまたま会った人が慶應卒という共通点だけで厚く世話してくれる、というような出来事に必ず巡り会いますよ。どうしても学生の間は感じることは少ないかもしれませんが、慶應義塾卒のつながりの強さは学生の皆さんが卒業してから初めて気づき、感じることだと思います」

卒業と同時に三田会に登録されること、周年記念行事があることは塾生には遠い事実かもしれない。ただ、慶應義塾を卒業したという肩書は、想像以上に大きく偉大なものなのであることを忘れてはならない。

 

(聞き手・水口侑)


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