新たな就活にどう対応すべきか 「今後の採用とインターンシップの在り方に関する分科会」に聞く

2022年卒の就職活動から、経団連が決めていた就活ルールが廃止され、新たな就職活動に移行することが決定した。しかし、実際にどのように変化するのか、私たち学生は深くは理解できていないだろう。そこで今回、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」の「今後の採用とインターンシップの在り方に関する分科会」の迫田雷蔵分科会長に、新たな就職活動について話を聞いた。

 

従来の採用形態と新たな採用形態の相違点とは

従来は、企業が卒業予定の学生を対象に、決められた時期のみに求人し、在学中に採用試験を行って内定を出すという「新卒一括採用」が取り入れられていた。しかし、これからの社会では多様な人材が求められる。そのために今後は新卒一括採用のみならず、通年採用やジョブ型雇用等を加えた、多様な採用形態に移行することになった。ここでいう通年採用とは、大学一年生等の段階で早期に内定を出すということではなく、大学卒業後ならいつでも採用するという意味である。新たな採用形態になることで、新卒一括採用の時期に日本にいない留学生、マスターやドクターの取得者等を積極的に採用することができ、より多様な人材を包括的に受け入れることができるようになる。

新たな採用形態の学生へのメリットとは

メリットとして、学生の自由度が増えることがある。今までは3年生の夏からインターンシップが開始し、4年生の6月から就職活動が解禁されていた。しかし、新たな採用形態が取り入れられることで、一斉に就職活動を始めなくてよくなる。それにより、3年生や4年生でも留学に行けるなど、さまざまな経験を積むことができるようになるのだ。

企業が求める人材とは

今まではリーダーシップやチームワーク、忍耐力、学び続ける力などが求められていた。しかし、これからはすべての学生において、英語力やITリテラシー(数学や統計)などが求められる。英語力は単に読解力があるだけではなく、ビジネスの中で外国人と議論することができる力が必要とされている。

さらに、変化の中で自分の強みを見つける力も必要である。世の中は何の知らせもなく突然変わっていく。そんな前触れもなく変わっていく世の中に対応し、自分の強みを見つけることは重要である。そのためには、文系や理系といった枠にとらわれずに、自分の得意とする専門分野を見つけることが求められている。企業が求めるのは、4年間しっかりと大学で学び、様々な挑戦や経験から引き出しを増やした人材である。

「採用直結型」のインターンシップについて

現在は認められていないが、インターンシップ参加者を優先して採用する「採用直結型」を支持する企業もある。しかし、就職活動の早期化を懸念する意見も強く、結論は出ていない。いずれにしても、インターンシップに参加することは、キャリア意識を磨いたり、仕事について詳しく知ったりする良い機会となる。

学生へのアドバイス

大学で四年間しっかりと学び、自分が興味あることを見つけ、深く考え抜く力を培ってほしい。現在の学生は、「就職」を「就社」と勘違いしているため、「職に就く」という意識が低い。その意識を持つためには、社会に出る意味を深く考え、そして何よりも「志」を確立させることが大切である。

まとめ

就職はゴールではなく、単なるスタートに過ぎない。目まぐるしく変わっていく世の中と同様に、就職活動の形も変わっていく。私たち学生は、その変化に柔軟に対応する力が求められているのであろう。

(森紗良)