喊声

喊声 2016年4月号

「こんなことを学んで社会に出て何の役に立つのか」。学生生活を送る中で、こんな言葉を教室で耳にすることは少なくない。

将来の夢に近づくために即座に「役に立つ」情報を得ようとする。しかし、すぐに利用できるものはその効力を失うのも早い。

現実の世界は様々な要素が複雑に絡み合って成立している。ある特定の知識を得るだけで解決できる問題はない。むしろ、問題を単純に捉えることが新たな問題を生じさせることがある。

物事を俯瞰する能力を教養とするのならば、将来に渡ってこれほど「役に立つ」ものはない。教養は多様な知識の吸収とそれに基づく考察の過程で育まれ、学問はその最高の手段となる。

結局のところ、大学内のコミュニティも価値観を相当程度共有した人が集まる場だ。価値観の多様性を認識することを求めて大学に入学しても、それは社会に出てからの方が経験できる。人的ネットワークの形成が圧倒的に広範囲に及ぶからだ。

一方で、社会では解決すべき問題の設定から自ら行う必要があり、その方法は誰も教えてくれない。身につけた教養こそが先例のない状況を耐え抜く最大の武器となる。これを培う機会を逃してはならない。
(小林良輔)

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