
4月9日、三田キャンパスでNATO(北大西洋条約機構)のマルク・ルッテ事務総長を招いた講演会が開かれた。ルッテ氏は日本とインド太平洋地域の安全保障上の協力の重要性を訴えた。
講演会後半は、細谷法学部教授とルッテ氏によるディスカッションと、学生を交えた質疑応答が行われた。
ロシアによるウクライナ侵攻やトランプ就任後の米国の影響を踏まえ、アジア・ヨーロッパ諸国とNATOとの連携のあり方や、国際社会における日本の役割などが議論された。
ルッテ氏の慶大訪問は今回で2回目。2015年にオランダの首相として来塾している。
【NATO】
NATO(北大西洋条約機構)とは欧州および北米の32ヵ国が加盟する政治的・軍事的同盟。加盟国は安全保障、防衛分野において協力が求められている。日本はNATOとの共通の利益に基づいて協力関係を発展させる「パートナー国」の位置付けである。
【マルク・ルッテ氏】
14代目NATO事務総長(2024年10月~)。2010~24年までオランダ首相を務めていた。2022年ロシアのウクライナ侵攻後、オランダによる積極的なウクライナ支援を主導した。今年4月8日から10日まで訪日し、石破首相と対談を行った。
(飯田櫂)