震災学術シンポ開催 五百旗頭氏らが復興計画語る

被災地の復興計画を説明する五百旗頭氏
被災地の復興計画を説明する五百旗頭氏

慶應義塾学術シンポジウム「震災後の東日本の復興・再生に向けて」が先月27日に三田キャンパス南館ホールで行われた。

本シンポジウムは2部に分かれており、前半の第1部では村井純環境情報学部長や神成淳司准教授らが登壇。各研究分野から震災の復興に関して提言を行った。

村井教授は新しいメディアの視点から見た震災について紹介。今回の東日本大震災はデジタル通信の基盤があることを前提とし、デジタル通信が整備されている社会に起きた初めての地震だとした。

神成准教授は今回の震災で第一次産業の被害が特に巨額だと指摘。被災者に早く仕事を与えることが重要だとした上で、熟練農家のノウハウを受け継ぎ、栄養価の高い野菜など付加価値の高い野菜作りをしていく、という提案をした。

第2部では東日本大震災復興構想会議議長である五百旗頭詢防衛大学校長の講演と竹中平蔵教授のコメントに続き、国分良成教授の司会で第1部の登壇者とともにパネルディスカッションが行われた。

五百旗頭氏は被災地の復興に向けて、「災害を完全に防ごうとするのではなく、『減災』の考え方に立つ必要がある」と話した。また、今後のエネルギー政策についても言及し、「東北地方で再生エネルギーによる先進的な街づくりを目指すべき」と主張した。

竹中教授は震災による被害は甚大だが、ゼロベースで進めていけるという点では今回の震災はチャンスでもあると指摘。復興政策については、「大規模な震災だからこそ、政策運営の基本を疎かにすべきではない」とした上で、「どんな政策を実施するかだけではなく、政策を実現するための手段もしっかり議論する必要がある」話した。

また竹中氏は、マクロ経済運営の視点が欠けていると指摘し、円高が進む可能性に懸念を示した。