最近、「Z世代」という単語が国を問わず非常に話題となっている。1990年代中盤以降に生まれた世代を指すこの言葉は、諸々の分野に影響を与えているが、その中でもメディアとの関わり方が最も注目を集めている。

 SNSとZ世代

いまのメディアを語るとき、大切な節目としてSNSの登場が挙げられる。Z世代の専門研究家であり、『Z世代 : 若者はなぜインスタ・Tiktokにハマるのか』の著者である原田曜平氏は「大学を一度卒業すると周りの人とお互いの情報を知りようがなかったSNS以前の時代に比べると、離れている人とも情報が交流できるという意味でSNSは大きな意味を持つ」と説明した。

さらに、初期のSNSとZ世代がよく使っているSNSの異なるところもある。知り合っている人とつながる傾向が強かったラインやフェイスブックなどの旧SNSに比べ、いまのSNSは知らない人に声をかけてみるための手段となりつつあるのだ。

Z世代のSNS利用に関しては、ティックトックやスナップチャットなど海外発祥のサービスが人気を集めており、755やミクシィなどの国内発祥サービスは衰えが顕著になっている。また、SNSを含め、全般的に世界中で利用されているサービスも画一化されている。昨今はネットフリックスなどが日本でも市場で優位を占めており、国別に享受するコンテンツが全く異なった以前と比べ海外と日本の相互作用が目立つようになった。原田氏は「若者が海外離れだといわれているが、情報においてはグローバル化が進んでいるのではないか」と加えた。

 

 若者が社会の中心へ

また、若者があらゆるところで正面に出て、自分の意見を披歴できるような社会になっている。原田氏によると、Z世代が率いる文化が注目をあまり集めなかった平成時代と比べ、いまはテレビでも若いコメンテーターが増えるなど、Z世代がさまざまなことの中心に立てる時代だという。

マーケティングの枠でも、Z世代のメディア利用は多大な影響を及ぼしている。「圧倒的にSNSの利用率が高く、情報を拡散する上で企業はZ世代と手を組むしかない」と原田氏は話した。また、親と仲がいい傾向にあるというZ世代の特徴により、Z世代の文化が中高年に広がる事例も少なくないという。

 

 Z世代は情報を支配する側

原田氏は、SNSが「ほとんど若者のもの」になっていると述べた。Z世代はフェイスブック以外のSNSをゆとり世代に比べ圧倒的に使用しているということだ。この圧倒的な位置づけにより、もはやZ世代は情報に支配される側ではなく、情報を支配している立場に立っているのかもしれない。原田氏は塾生に向けて「トレンド感動は高いが、クラシック過ぎることもあるのが慶應義塾。時代の変化に伴う新しいトレンドが三田から生まれることをみたい」と期待を寄せた。

 

 

朴太暎