20年度慶大生、就職者・進学者割合に変化 多様化する進路と塾生へのアドバイス

就職資料室の様子(三田キャンパス 学生部 就職・進路支援担当提供)

学生部就職・進路支援担当によると、20年度の慶大卒業者・修了者(博士課程を除く)は7938人だった。進路先報告者のうち、就職者は5544人、大学院・学部進学者は1259人。就職者割合は71.7%と、2009年度以降初めて前年度比で低下に転じた。また、進学者割合は16.3%と2013年以降初めて前年度比で増加に転じた。

20年度の上位就職先ランキング(全学部)

学部生の上位就職先企業順位では、19年度に比べ、メガバンクの上昇がみられた。三菱UFJ銀行(5位→2位)、三井住友銀行(4位→3位)、みずほ銀行(6位→3位)と、三社とも順位を上げた。「メガバンク各行は、近年、新卒採用枠を激減させていた。その採用枠削減ペースが鈍化したこともあり、塾生のメガバンク就職者数が増加したのでは。採用数を減らしているとはいえ、メガバンクの採用枠の相対的な大きさはいまだ健在であり、採用枠が大きくかつ安定感のある企業に志望者が大勢集まるのは自然な流れでもある」と学生部就職・進路支援担当は分析する。

2021年5月1日現在の就職データより。(データは、三田キャンパス 学生部 就職・進路支援担当提供)

23卒の就職 「二極化」に注意

現在の学部3年生および修士1年生にあたる23卒の就職活動については、選考の「オンライン化の定着と早期化の進展」が特徴としてあげられるという。「就活の波に乗れている人々と、早期化に気づかず出遅れている人々の二極化が進展している。大学は早期化に対抗する立場ではあるが、早期化の現実は否めない。就活に出遅れてしまう方の人にならないでほしい」と塾生に呼びかける。

就活の第一歩としておすすめなのは、インターンへの参加だが、現時点では、多くの企業の夏インターンの応募時期は終わってしまっている。まだ就活を始めていない23卒の塾生は、自己分析及び業界分析に取り掛かってほしいと担当者は話す。どちらも一定の時間を要するものであるため、遅くとも3年の8月には取り組み始めないと秋学期以降のスケジュールがタイトにならざるを得ない。塾生サイトで公開されている、キャンパスごとの就職ガイダンスを活用するのも一つの手だ。

現在就職に向け動き出している23卒に対しては、夏インターンに「落ちても気にするなとは言えないが、落ちたこと自体は気に病まず、水に流すべき」とアドバイスする。これは単に精神的な励ましに留まらず、近年の就活におけるインターンの特徴からもそう言える。インターンの参加枠数は、本選考と比べて非常に限られている。それにもかかわらず、インターン参加の重要性を学生が認識した結果、年々インターンへの応募が増加しているためだ。ただし「どうして自分の書類や面接で落とされたのかという反省・分析は必要だ」と担当者は言う。

1・2年生へのアドバイス

学部1・2年生には、2つのアドバイスがある。

一点目が、学生生活を謳歌することだ。勉強や課外活動に対して目標を持って取り組むことを大切にしてほしいとのことである。これは、将来の就職活動における自己アピールにもつながる。

二点目は、どの学部・どの研究科でも社会やビジネスの仕組みについて理解することである。これらを理解しているかどうかで、就職活動時の業界分析の取り組みに大きな違いが生じるという。

例えば、社会貢献を企業の志望理由とする学生は、現実離れした志望動機を抱いてしまうことがある。ビジネスの仕組みを理解しておくことが、社会貢献と利潤の追求との両立を現実的に考えられるようになるためにも必要だ。

社会やビジネスの現実に触れるための身近なツールとして、メディアセンターの新聞記事などのデータベースの活用や、マスメディア各社が提供しているニュースが読めるアプリを用いることを推奨している。

就活のすゝめ

担当者は「名の通る企業、人気のある企業に入ることが良い就職ではない。多くの人が知らないような企業でも良い企業はあるし、名の通る企業に入れてもフィットできずに不幸な結果を招くこともある。自分の知っている企業だけが良い企業ではないため、幅広く見てみることが大切だ」と語った。

(橋本成哉)