ゲーム業界を牽引する老舗 任天堂が最前線でありつづける理由

Nintendo Switch(提供=任天堂株式会社)

近年日本でもeスポーツの人気が高まっている。中でも老若男女問わず、ニンテンドースイッチの人気はめざましい。2021年3月末時点で、ニンテンドースイッチは8459万台、ソフトは5億8712万本を売り上げている。今回はゲーム業界を牽引する任天堂株式会社に話を聞いた。

誰かと一緒に遊ぶこと

任天堂は年齢や経験を問わず、誰でも、誰とでも一緒に遊べるゲームソフトを売り出している。ニンテンドースイッチでは、自宅のテレビにつないで複数人で遊ぶことも、友人とゲーム機を持ち寄って遊ぶことも可能だ。以前のゲーム機が、据置型と携帯型で別々に担っていた遊びのスタイルを一手に担っている。

ニンテンドースイッチが一台あれば、自宅で家族と遊ぶことも、外で友人と遊ぶこともできる。「誰かと一緒に遊ぶこと」が一つのゲーム機でできるようになっているところが人気の秘訣だ。

2020年3月に発売された『あつまれ どうぶつの森』は、2001年から続くシリーズの最新作だ。発売前から期待は大きかった。

ステイホームが呼びかけられると、家庭で家族と遊ぶだけではなく、友人とオンラインでコミュニケーションをとれることが話題となった。無人島生活を謳歌しながらも、さまざまな形で友人と交流できることが、『あつ森』が広く受け入れられた理由だという。

あつまれ どうぶつの森
(c)2020 Nintendo(提供=任天堂株式会社)

2020年6月に発売となった『世界のアソビ大全51』も、全世界で300万本の販売を記録するヒットタイトルだ。販売当初は、外出規制ためにダウンロードの販売比率が通常よりも高く、50%を超えていた。普遍的なゲームを集めたソフトであり、幅広い層の人の手に渡った。

懐かしのゲームをもう一度

2020年度は、スーパーマリオ35周年というキャンペーンを実施していた。このキャンペーンをきっかけに、しばらくゲームから離れていた人も、久しぶりにゲームをプレイしている。昔、任天堂のゲームで遊んでいた人が、子どもや孫と一緒に再びゲームを楽しんでいるという声もあるという。

有料会員サービスであるニンテンドースイッチオンラインでは、過去に販売されたゲームソフトで遊ぶことができる。発売当時そのままのゲームを現行のゲーム機で遊べるだけでなく、オンライン対戦など、初めてプレイする人も楽しめる、ニンテンドースイッチならではの新要素が盛りだくさんだ。

新しいタイトルに限らず、懐かしのゲームやシリーズの新作が、幅広い世代の人に愛されている。以前の良さを残しつつ、今のハードに置き換えたことで、3世代にわたって一緒に遊ぶことができるのも、ニンテンドースイッチが人気を博している理由だ。

ゲーム障害への啓発

任天堂のゲームは、子どもたちに特に多く遊ばれている。幅広い世代にプレイされる一方で、子どもへの影響は無視することができない。WHOがゲーム障害を、依存症の一つとして国際疾病分類の最新版に加えることが決定している。このことは、ゲーム業界全体で連携して取り組んでいくべき、重要な問題だという。

任天堂では多くの人を笑顔にするようなゲームの提供に努めている。『ニンテンドーラボ』のように教育的要素があると評価されているものや、運動をテーマにした『リングフィットアドベンチャー』も販売され、人気となっている。

5月6日には、任天堂の開発室から生まれた、『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』が発表された。不思議な生き物「ノードン」をつないでいくだけで、楽しみながらゲームプログラミングを体験し、学ぶことができるソフトだ。

ナビつき!つくってわかる はじめてゲームプログラミング
(c)Nintendo(提供=任天堂株式会社)

ほかにも一定時間ごとに休憩を促す機能や、プレイ時間を管理できるスマホ向けアプリ『ニンテンドーみまもりスイッチ』の提供を行っている。このアプリを紹介するCMを放映したり、ホームページで使い方を説明する漫画を掲載したりすることで、さらなる啓発に努めている。

老舗ニンテンドーのこれから

近年人気の高いソーシャルゲームとは、ゲーム専用機のコントローラーとスマホのタッチスクリーンで、操作の特性や強み弱みが大きく異なる。それぞれのプレイスタイルに合わせたソフトを開発しており、現在6つのスマホ向けアプリが運営されている。

2021年後半にはNiantic社と共同で「歩くことを楽しくする」というテーマで開発された、ピクミンを起用したアプリがリリース予定だ。歩くことが楽しくなれば、足を伸ばせる世界が広がっていくだろう。

任天堂は事業の幅を広げ続けている。私たちの生活を、幼いころから彩っている任天堂のこれからの展開に胸が躍る。

(古田明日香)