慶應塾生新聞会 三田オフィス

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《好きの1ページ》第1回 文房具のひみつ〈後編〉

記者が興味を持っているものについて深掘りしていく連載企画「好きの1ページ」。第1回目の後編となる今回は文房具をテーマに、株式会社キングジム開発本部の井上さん、遠藤さん、平山さんに話を聞いた。私たちの日々の生活に欠かせない生活必需品である文房具。そこには一体どんな「ひみつ」が隠されているのだろうか。誰もが使うノート商品から切り込んでいく。

 

「テフレーヌ」とは

 「テフレーヌ」は、「リングノートを使う時に手にリングが触れる」というような多くの人の不満を解決した商品だ。

テフレーヌ

キングジムの開発部では「このようなものがあったらいいな」とアイデアを出し合う会が定期的にあるのに加え、各メンバーが同様のミーティングを自由に実施できる環境もある。その中で、ノートに対する不満点を話し合っているときにテフレーヌのアイデアは生まれたと遠藤さんは振り返る。

では、「テフレーヌ」のように、多くの人の不満を解決できるような商品はどのように思いつくのか。普段自分がモノを使用する時に無意識に感じている不便さに敏感になることが一番の近道だと遠藤さんは語る。その不便さは自分だけのものではないことが多く、それを解決できるアイデアを思いつけば、多くの人に受け入れられる商品となるのだ。

 

さまざまな試行錯誤から生まれた「テプラ」

テプラ

キングジムというと、「テプラ」を一番に思いつく人も多いのではないだろうか。

1980年代に入りパソコンが徐々に普及しだした頃、まもなくペーパーレス化の時代がやってくるとささやかれていた。そこでファイル専門メーカーであるキングジムの未来に危機感を持った有志の若手社員が1985年に電子機器の開発プロジェクト「Eプロジェクト」を立ち上げた。そこで最初に取り組んだ商品が「テプラ」だという。

もともとキングジムで行っていたファイルの背見出しをワープロで印字するサービスに、予想以上の依頼があったことから、世の中に『ファイルの背見出しをきれいに作りたい』という需要があることに着目したのが始まりだ。その中で、ワープロでの印字よりもラベルに打ち出して貼る方が簡単ではないかという発想が生まれたそうだ。

「テプラ」は現在でも改良が加えられており、様々な種類の商品が発売されている。ラベル作成の効率を良くしたい人へ向けた「ハイスペックモデル」、シンプルな機能で簡単に使える「エントリーモデル」、名前付けや整理整頓に使いやすい「ホームモデル」など、ニーズに合わせて改良を重ねた。昨今ではパソコンやスマホから操作できるキーボードのないタイプの「テプラ」もラインアップに加えられている。

MARK

2020年10月発売の“MARK”は、誰でも簡単にデザイン性の高いラベルが作成できる新しい「テプラ」であり、専用アプリ「Hello」とBluetooth®で接続して使用する。初代「テプラ」を発売した当初は、綺麗な印字ができると喜ばれていたが、機能の使いこなし方やラベルの活用方法をうまく提示できていなかったという。その結果、表示としてわかりにくいものや美しさに首をかしげるようなラベルが使わせてしまったのだ。この課題に対して取り組み、出来上がった商品が“MARK”なのだという。

「従来のラベル作成はイメージを先に決めて作り始めていました。しかし、全ての人が文言やデザインを想像できるとは限りません。ラベルの作り方から根本的に見直し、アプリ内のテンプレートからデザインを選ぶだけで誰でも簡単にきれいなラベルが作れるようにしました」と“MARK”開発担当の井上さんは語る。

テンプレートは活用シーンの写真から選べるようになっており、実際に使う場面が想像しやすくなるよう工夫されている。“MARK”の使用方法として、収納したものの分類や名前付けを井上さんはおすすめする。ラベルに画像を挿入できるため写真やイラストを使ってオリジナルのラベル作成も楽しめる。印刷したラベルに時間を紐づける「タイムラベル」は、防災備蓄品などの保存期限があるものやフィルターなど定期交換が必要なもの、提出物の管理などに便利である。

 

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