慶大は7月31日、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を鑑み、秋学期の授業について、オンライン授業を継続しつつ、感染防止策を取り一部の授業を対面で実施すると発表した。そこで、対面授業の再開の意図や秋学期の授業形態、感染防止対策について、三田学生部に話を聞いた。

 

 

対面授業の再開

慶大は新型コロナウイルスの緊急対応策として、4月に学内の施設を閉鎖し、学生に各キャンパスへの立ち入りを禁止していた。しかし政府の緊急事態宣言が解除されたのを受け、6月からキャンパスの一部施設の立ち入りを認め、段階的な利用を実施している。「慶大は学生がキャンパスに戻ることができる環境を、段階的に開放している。今回の秋学期の対面授業の再開も、その段階の一つだ」と三田学生部担当者は言う。

「慶大は通学課程が中心の大学だ。大学は勉強だけでなく、課外活動などを通して人間関係を築くなど、様々な経験を積むことができる場であると考えている。そのためにも、コロナウイルスの感染が拡大する前の状態に、少しずつ戻していくことが必要だと考えている」

 

学事日程の変更

新型コロナウイルスの影響を受けたのは、授業形態だけでない。学事日程も大幅な変更が余儀なくされた。
従来、慶大は1月も継続して授業が行われる。しかし、今年度は12月で授業は終了し、期末試験が年明けから開始する。試験期間が3週間と長く設けられている。

この学事日程変更の背景には、対面で試験を実施するための教室の確保が従来通りにいかないということがある。三密を避けるべく教室の定員を減らす必要があるため、今までと比べて2倍から3倍の試験期間を確保しなければならなくなったのだ。「対面での試験の準備は進めるが、今後コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合には授業や期末試験の形態を変更する可能性もある。国や東京都、神奈川県の対応を見ながら判断していくことになる」という。

 

秋学期の授業形態

 

対面で実施される授業は基本的に対面での授業参加が求められる。しかし、「海外にいるため日本に入国できない」など対面授業の参加が難しい学生に向けて、不利益が生じないための一つの手段として、Zoomなどを用いて対面授業をリアルタイムで配信する、「ハイブリッド型授業」ができる環境を整備するという。

また、各キャンパス内でオンライン授業を受けられる環境が整えられる。学内のWi‐Fiを使って、オンライン授業を安心して受講できる自習室が準備される予定だ。ディスカッションなど会話を伴うオンライン授業を受けられる場所については現時点で対応を検討しているという。

 

感染拡大防止対策

慶大はクラスター発生を防ぐために、さまざまな対策に取り組む。

一つ目は発熱している人やマスクをしていない人をキャンパス内に入れないことだ。風邪の症状があるなど少しでも体調が悪い学生は自宅待機を求める。

二つ目は体温測定をすることだ。三田キャンパスや日吉キャンパスなど大学内への入り口が限定されているところでは、大学の指示に従いそれぞれの入り口で体温を測る。そのほかのキャンパスでは建物の入り口に人の体温を自動で測るサーマルカメラを置き、入館する人に熱がないかを確認する。

三つ目は消毒の徹底だ。三田キャンパスの食堂では、座席が使用されたあとは必ず消毒をする。

四つ目は三密防止である。教室の定員を減らす、使用できる座席を指定するなど、人が集中して集まらないように対策を取る。

 

学生の心がけ

感染を拡大させないために欠かせないのが学生一人一人の心がけだ。「学生は、大学から発信される情報を確認し、マスクの着用やソーシャルディスタンスに注意してほしい」と学生部担当者は言う。特に食事中は大きな声で話さない、友人とは落ち着いて距離を保ちながら接するなど注意が必要だ。

 

(篠原佳鈴)