連載

《変わりゆく「日常」のなかで》

連載|14人がオモウコト。
テーマ「夏休み」

 

(3)
変わりゆく「日常」のなかで

 

青い海、白い雲、スプーンですくうかき氷。

そんな風に思い描いていた2020年の夏は、突如として消えてしまった。

 

夏休みを心待ちにしていた私に、新しい「常識」がささやく。

「人と会うときは距離をとって。会食はできるだけ避けて。」

 

私たちの「日常」は、大きく変化してしまった。失ってはじめて、ずっと続くと信じていた「日常」の温かみに気づく。大学構内でばったり会った友達とおしゃべりをしたり、空きコマや放課後においしいご飯を食べに行ったりするささやかな幸せ。友人と共に時間を過ごすことがどれだけ大切だったかを改めて知る。

 

もちろんテレビ会議システムを使って、オンラインで「会う」ことはできる。でも、話すタイミングが重なってしまったり、同じものを食べて感想を共有することが出来ないもどかしさがあったりする。

 

春学期は、新しい「日常」に慣れようと必死だった。大学の授業形式も評価基準も大きく変わったことで、授業の受講と課題の提出で頭がいっぱいになることもあった。

 

7月31日、私は最後のレポートを提出した。やっと夏休み。そうは思ったけれど、去年の夏休みが始まった時と比べて、あまりワクワクしなかったように思う。

 

去年の夏休みを迎えた瞬間、なぜあんなにも高揚感を抱いたのだろうか。今年の夏休みに比べて、外出の予定が多く、様々な友人に会える機会があったのは、原因の一つだろう。楽しみな予定はあればあるほど、胸が高まるものだ。でも、それだけではない。私の心を高鳴らせたのは、「共に頑張ってきた友人と一緒に夏休みを迎えられた喜び」を共有できたからという理由もある。

 

夏休みを迎えて、課題の提出はなくなったが、授業担当の教授や友人と話をするという定期的な機会も同時に失った。2020年の夏休みも早いもので、今日で約3分の1が過ぎてしまった。夏休みが始まる前にやろうと思っていた筋トレも、勉強も、何となく手につかない。私の夏を大きく変えてしまった「あれ」のせいにしたくなる。

 

でも、ここでふと考える。2020年の夏は、1度きりだ。私は、この1度しかない毎日を、楽しんでいきたい。

 

友人と会えない時間が長く続くからこそ、人と「会う」大切さをより深く知ることが出来る。移動時間がかからなくなった分、勉強や自分の好きなことに使う時間が増やせる。

 

そんな風に少しずつ、マイナスに見えていることをプラスに捉え直していく。こうすることで、私の毎日はもっと楽しい日々になるはずだ。そう信じて、私は、1日1日を大切にしながら、残りの夏休みを過ごそうと思う。

 

☆ペンネーム いちご大福

☆学部学科学年 法学部政治学科2年

☆ひとこと いちごの酸味とあんこの甘みの素晴らしいハーモニーが好きだ。

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