《受験生応援特集》「言葉はゴールのない世界」 駿台予備学校・霜栄先生インタビュー

「あらゆる言葉の背後には、何かを伝えたいと思う人がいます。現代文を苦手とする生徒は言葉の向こうにいる人間を忘れてしまっている」

そう語るのは駿台予備学校現代文科講師の霜栄(しも さかえ)先生だ。「現代文」という文理問わず学習を避けられない不思議な科目について今回は掘り下げていこう。

 

なぜ高校生は現代文を学ぶのか

現代文を学ぶということは、言葉を通して他人の考え方を知るということだと霜先生は語る。

「人間がここまで繁栄できたのは言葉を通じて他人の考え方や気持ちを知り、一緒に行動出来るようになったから。場所や時代を問わず、どこの社会でも言葉を通じて他の人の考えや気持ちを知ることは評価されます。そのため社会性の始まりの出発点に現代文という科目があると言えます」

これだけの重要性を持つ「言葉」であるが、筆者の言いたいことを正確に記述できれば得点に繋がるという現在の「現代文」という科目は戦後生まれだという。

「他人の気持ちや考えを正確に理解することが評価されなければ、話し合いが基本となる民主主義社会は成立しない。そういった部分を養う目的もあったと思います」

現代文という科目の特徴の一つとして、日常生活と非常に深く繋がっているということが挙げられる。霜先生は日常の思考習慣が現代文と深い繋がりがあるとした上で、次のように説明する。

「稀に現代文をあまり勉強していないのに、設問が解けてしまう人もいます。そういう人には普段から現代文を読むように言葉を客観的に、論理的に、扱う習慣がある。裏返して言えば、現代文を勉強しているときだけが現代文の時間と思わず、言葉を使っているときは常に現代文を扱っているという意識をもつことが大切だということです」

 

入試現代文で求められる力とは

現代文では、読解力や表現力の前提としてまずは、「他人の考えを知りたい」と思うことが大切だと霜先生は語る。

「今の現代文は客観的に読むことを重視しているが、『他人の考えを知りたい』という主観がなければ、そもそも他人の考えを客観的に知ることはできない。実際に会うことのできない人たちが何を考えているか、言葉を通じて理解できるということを喜べることが大切です」

また「現代文は読めれば書ける」とよく言われるが、これは筆者だけではなく出題者の気持ちも同時に考えてこそ出来ることだという。

「出題者は必ず筆者の主張を聞きたいと思って作問している。そのため、出題者の存在を常に意識して勉強していくことが大切。あらゆる言葉の背後にはそれを伝えたい人がいるということを、設問を読むときも意識してほしい。そして出題者のキキタイコトに沿った答えを伝えていきましょう」