【ART COLUMN #TOKYO1964_2020 】#MUSIC 東京五輪音頭 時代の変化に合わせて

1‌9‌6‌4年の日本はオリンピック(五輪)の開催で熱狂していた。五輪に伴うインフラの整備。東洋の魔女を始めとする日本人選手団の活躍。枚挙にいとまがないが、この熱狂に一役買ったものといえば、テーマソングであった「東京五輪音頭」もその1つであろう。

あれから63年。2‌0‌2‌0年に開催予定の東京五輪・パラリンピック。それに合わせて今年の7月、原曲をリメイクした「東京五輪音頭-2‌0‌2‌0-」が発表された。

このリメイク版は、「HAPPY&PEACE」をコンセプトとしている。2‌0‌2‌0仕様の歌詞と振付で、アーティストとして、石川さゆりさん、加山雄三さん、竹原ピストルさんを迎えた。歌詞には原曲にはない5番が追加されており、2‌0‌2‌0年の五輪が1‌9‌6‌4年の五輪を継承しつつも、時代を超えて進化したものであるという表象のように感じられる。

(提供=東京2020組織委員会)

本作の特筆すべき点は、五輪のみならずパラリンピックにも重点がおかれていることであろう。原曲には「パラリンピック」という言葉は一度も出てこない。しかし、リメイク版ではこれが三度登場する。例えば5番の歌詞には次のような一節がある。「2‌0‌2‌0年命の盛り/(中略)/オリンピックとパラリンピック/ソレトトントトトントTOKYOで」

「パラリンピック」という名称が正式に使われだしたのは1‌9‌8‌8年のソウル大会のときである。それ以前にも障がい者の国際大会はあったが、1‌9‌6‌4年時点では五輪との結びつきは深いものではなく、別個のものというイメージが強かった。この新たな歌詞には身体障がいの有無にかかわらず、全ての人にスポーツを愛し、楽しんでほしいという思いが込められている。

また本作は振付も魅力的である。振付には通常バージョンと車椅子バージョンがあり、車椅子の方でも楽しめる。少し練習すれば誰でも踊れるように振付がされており、記者も容易に習得した。盆踊りという日本文化にふれるよい機会になるのではないだろうか。

今年の8月にはMVが公開された。近未来感漂う渋谷を舞台に、古舘伊知郎さんのよどみのないナレーションで始まり、出演者たちは歌と踊りを楽しんでいる。エンブレム柄の浴衣など、随所に日本らしさが表れており、見ているだけで歌い踊りたくなってくる。ぜひ一度ご高覧をすすめたい。

3年後、東京五輪・パラリンピックの幕が上がる。そのときまでに、「東京五輪音頭-2‌0‌2‌0-」を歌い、踊れる人が増えていることだろう。再度日本全体が熱狂する日が近づいている。そして、「HAPPY&PEACE」なその日の訪れが楽しみである。
(曽根智貴)